そうねぇ、私のことはと読んで頂戴。本名、 。
私の存在を、
狐が言う。たまたま存在しただけのものだ。と
狸が言う。うっかり存在しただけのものだ。と
つまり私は神様の枠に嵌らない人・異能者だった。
私の力は、ここじゃない世界を見渡すことが出来るそれだけ。
私の力を悪用すれば悪用できるけれど、
誰かに私が言わない限りその力はばれる事がない。
だって、私は夢で夢を渡っているそれだけだもの。
夢を覗かれても彼らが現実見ていることを覗かれても、
覗かれた人はちょっとぼうってしていたぐらいにしか感覚がないから。
それに私はその力以外に体力も知力も顔も体も全て普通であったから。
悪用はしないわ。だってそんなことが出来るってばれたら
この戦乱の世界ではとても面倒臭いことになるもの。
私は神として崇め奉られるのも、監禁・軟禁されて自由を失うのも嫌いなのよ。
人のいうことを聞くのも好きじゃない。
「雷ちゃん」
「姉さん」
可愛い可愛い私の幼馴染、一個下の男の子、不破 雷蔵。
彼に私は寸分のくるいもなく致死量ぎりぎりの甘い毒をじわじわと与え続けた。
彼が私が忍術学園にいるから後追って忍術学園に来たり、
三日に一回絶対甘えてきたり、
実習で一週間顔を合わせなかったときなどは、その倍甘えてきたこともある。
恋文を送ってきたものには鉄槌を、偶然を装いご飯を一緒に朝と昼と夜。
つまり、彼は私なくして生きれなくさせてしまった。
それは、これからおこるであろう物語にあわせておいた。
私は夢を渡れた。その途中で、綻びを見つけて覗いてみたら未来が見えた。
これからの未来に私はとても面白いことを思いついてしまったの。
私は、異能者。それ以外は普通といったけれど訂正するわ。
4年の誰かのように表情が乏しいわけではないけど
私、とても面白いことが少ないのよ。
ご飯だって睡眠だって性欲だって人よりも少ないし、
何が面白いのかさっぱり分からない。色々見てきたけれど
きらきらとろとろ甘い酸っぱい苦いもの全部一杯食べてもみんな同じ。
どろどろ蕩けるほど天国が地獄か分からないほどの性欲もみんな同じ。
夢を見るのは、私にとっては能力を使っているようなものだから、
本当に寝るってどうことか分からないわ。
外で遊ばなくても寝てしまえば
恋をしなくても寝てしまえば
日を浴びなくても寝てしまえば
彼らの倍経験できるの。
私が面白いと思うものに全てをかけることに誰が悪いと言うの?
じゃなければ現実はつまらなすぎて、きっと寝てばかりいるでしょう。
私が現実を起きる理由などたったそれ一つなのです。
前置きが長くなったわね。
私が面白いと思ったことを発表するわ。
人の単純な心の操作、大雑把に言えば神と人の戦い?
これから天の世界といっても違う世界の住人が、とてもビックな後ろ盾を連れて
そろそろ降りてくるの。
彼女の願いは「みんなに愛されたい」いいわね。それ夢があって。
普通ならとてもじゃないけれど叶わない夢物語。
大人も子供も笑うけれど、彼女の世界にはこの世界が書物になっていて
彼らだけに愛されたいということで、神様も博打を打ったみたい。
おかげで私はとても興味深いことが出来るのだけれどね。
そう、人が育てた何十年の毒のような愛と神様が急ごしらえでつくった愛される存在
どっちが強いのかという単純な興味。
わくわくした気持ちを抑えられなくて、つい笑顔になってしまったみたい。
私の膝で猫のように目を細めて身をゆだねている雷ちゃんが何をそんなに嬉しそうなの?
と不機嫌そうな顔をしているから。私は口に手を当てて、
「もうすぐ、雷ちゃんにも分かるわよ?」
いいえ、分かるというよりも、あなたが当事者。