そおっさ、おそれないで、じぶんのために、愛と孤独だけがともだちさ♪
・・・・・・虚しい。
一年間友達ができないオタクこと、 は、
昔知り合った人と、決闘しました。
まぁ、なんでか分かるだけに、会わないようにしていたんだけど、
きっと、昔のことの慰謝料払え、そしてボコらせろ。とのことでしょう。
はぁー涙が出ちゃうというか、出てる。
あいにく、雨が降っているから、分からないだろうけど、しょっぱい。
にしても、まさか、あそこで雷とか、俺、終了のお知らせかと思ったし、
ここの世界の雷って半端ないよね。
まず、人に普通に落ちてくるし、雨だ、雷だ、逃げろって言われた時に、
バッカで、何急いでんの?とか思ってたら、俺の目の前にいた人に落ちた。
それから、雷は、俺をターゲットオンして追っかけてくるもんだから、
お、恐ろしい。本当に、恐ろしい。
この世で、怖いのは、雷と孤独。
つまり、今ダブルで味わっていますってことか、はははは。
から笑いしか出てこないぜ。
ドォン、ドォン、と後ろから遅れて響いてくる雷に俺は吠えた。
「だから、なんで俺ばっかり追いかけてくるんだよ!!
ツンデレは、神様だけで十分なんだからなぁ!!」
虚しく俺の声は雨の中にかき消された。
「疲れた」
ひかれた布団の上に横たわる。
あの後どうにか、雷のツンデレいいや、奴はヤンデレをまいた。
俺、ヤンデレは好きだけど、現実にいたら嫌だ。それに死ぬほど好かれてみろ。
怖い、恐ろしい、後ろから刺されて殺される、嫁に欲しい。
・・・・・・もう、孤独にまさる嫌さはないかな。
この議題は悲しくなったので、何も考えずに天井を眺めていたら、
彼に破かれた本を思い出した。
どうするかなと思いながら、唸っている間に、手が勝手に修繕し始めている。
オタクって凄いな。口よりも行動か。
ま、この本、実は保存用、実用、友達に貸す用で、三冊あるから、
うん、最後の一冊の実用は不可能ぽいから、別にこのままでもいいんだけど、
本は、思想の塊だ。
これだけが、俺の前いた世界と変わらずあり続けるものだから、
粗末になんか出来るはずがない。
なーんて、格好よく言ったけど、ただ単に、美佐子さんが恐ろしい。
美佐子さんというのは、俺のこの世界の母親だ。
なんで、名前か?美佐子さんは母親のベクトル上におらず、
美沙子さんでしかあり得ないからだ。
そういえば、美佐子さんで、思い出したけど、
彼、滝のところの母親も美人だった。
美沙子さんが、儚な美人だとしたら、凛とした女王タイプの美人。
滝は、母親似だろう。小さい頃あんなに可愛かったんだもんな。
俺と、滝の出会いはそう。
あの子とは遊んじゃダメ、迷惑でしょう!と思いっきり俺の目の前で、
言われ、引きずって、引き篭っていたら、
鬼ごっこしましょう!!と美佐子さんが入ってきて、
ノリノリで部下を仕掛けられた。
そのせいで、肩に傷つくって、滝と出会った。
まさか、本気で武器を投げてくるとは、思わなかった。
両親は心配しないの?という穢なき瞳をした滝に、
まさか、仕掛けたのは親です、しかも、年に何回か
何事も油断大敵!!と言う美佐子さんの言葉から始まり、
一本のクナイで知らない場所まで目隠して、
サバイバルがザルでしたなんて言えるわけもない。
けど、あの時ばかりは、美佐子さんに感謝した。
俺と、同じぐらいの子供なんて、さっきいった通り、遊んだら迷惑らしいから、
遊べなかっから、かなり年上じゃない友達って初めてで楽しかった。
それに、可愛かったし。
ええ、それはべらんぼうに、可愛かった。
女の子だとばかり思っていたから、この学園に来て、
滝が男だと知ったときは、驚いて、
嫌いなシイタケを間違って飲み込んでしまったし。
でも、ようやくあの時、滝の母親が、俺に攻撃したこと、合点いった。
可愛い息子に、変な男が近づいてるんだものな。
そりゃ、薙刀で攻撃するよ。でも訂正して欲しい。
俺は、ショタコンもロリコンもいけますが、それは二次元だけなので、
三次元はお母さんみたいな人が、好みですと。
ちょっと、罵られたい感じ。Mじゃないけど、美人なら許せる。
でも、滝の母親が薙刀振った後に、鬼ごっこの鬼がいるとは、
驚いたよな。気絶させて、退散しようとしたんだけど、
火に油注いじゃったし。
間違ってるって、言って滝は俺を、庇ってくれたけど、間違っちゃいない。
あの人がしたのは、キモイ男を、大切な子供を触らせたくないという、母親の心理。
そして、そんな可愛い綺麗な思い出の滝も、どうやら思春期。
あの時のことを、思い出して、そういうえば、キモイ男がなんかいんだけど。
あれ?これってじゃん?やべーあいつ、キモイの輪にかけてキモイし、
本とか持って、インテルぶって隠してるけど、もろ分かるし、
だから、制裁!!みたいな。
・・・・・・ヤンデレの雷が来てくれて良かった。その後、友達とか来てたし、
俺、勝てる自信も、その後ここに、い続ける自信もない。
いつの間にか、本は綺麗に修繕された。
滝に決闘を申込まれて、滝の母親を思い出したからだろうか、
俺もこの世界の両親を思い出した。
【オタクのおたくさん 滝2】
生まれて、意識がはっきりしたころ、
この世界の両親の、儚げでおっとりとし、所作が綺麗で、
おしとやかな美人の母親の美佐子さんと、
釣り目で威厳があり、いるだけで絵になる和風美人な父親の京一郎さんとは、
住む世界が違うと思っていた。
俺なんかが、息子ですいませんと謝ったことすらある。
そんなわけで、俺たちの間には、マンホールより深い溝が出来ていたわけだ。
で、ある日、暇すぎたため、逆立ちをしていたら、、
我一家に掲げてある達筆で読めない字の真意に気づいた。
その字は、上下逆にされていたため、長年気付かなかったが、
『変態という名の紳士』
そう書かれていた。
呆然と眺める俺に、部屋に入ってきた美佐子さんに、
意味を問えば、彼女は真剣な顔をしていった。
「え、知らないの?かの有名な言葉を」
この言葉で、一気に美佐子さんと打ち解けた。
つまるところ、美佐子さんも、俺の世界から転生してきた人だった。
そして、俺と同じオタクだった。
父親と父親の側近以外には、隠してきたんだけど、
同じ転生、しかも、オタクならモーマンタイ!!
とニッと輝かしい笑顔を見せた美佐子さんは、確実に、俺と同じ匂いがした。
そして、美佐子さん曰く、この世界はマンガらしい。
そのマンガの一ファンとして、私はあなたを、忍術学園に送り届ける義務があるの。
と、よく分からないことを言い出したのは焦った。
なんでって、なんでって、父親の京一郎さんは、
寡黙で威厳があり、礼儀に厳しく、冗談とか言わなそうな
固い人で、俺に跡を継いで欲しいらしくて、毎日修行をつけられていたからだ。
いくら、美佐子さんでも許可は降りないだろうと思っていた。
「駄目だ。世界を見るのは、まだ、早い」
案の定、一蹴されたが、
美佐子さんはいつもの面の皮をはがして、反撃した。
「遅いわよ。どちらかというと、途中入学になるかしら?」
「だけれど、は、私の跡を継ぎ、当主となるんだぞ」
「いいじゃない、誰かにあげれば?」
「な、本気でいってるのか?」
「あら、あなただってなるのが嫌だった癖に、
それとも、あなたは息子に同じ思いをさせて、
冒険や夢を見させないほど、心狭い人だったかしら?
嫌いになるわよ!!」
嫌いになるわよ。わよ。わよ。わよとエコーがかかるほどの声が響いた。
その後、シーンと沈黙が降りたが、それを破ったのは、
「い、いやだぁぁぁぁ」
父親の涙ながらの訴えだった。
「嫌だよ。美佐子さん。僕のこと、捨てる気?嫌いになんてならないでよ」
そう言って、美佐子さんに縋る京一郎さん。
「あらあら、だったら、いいでしょう?」
「それも、嫌だ。だって、だよ?
が攫われたり、不埒な輩に変なことされたりしたり、瞬殺どころじゃないよ?」
・・・・・・うん、誰だ。これ。
おかしい、俺の父親の京一郎さんは、威厳があり、立派で、正しく武士みたいな
お固い。
「ね、。これが、あなたのお父さんよ。
どう、ギャップ萌えでしょう?」
「あ、しまったぁぁ。頑張って、隠してきたのに、ひどいよ。
美佐子さん!!」
「ヒドイもなにも、隠していなくても、息子だからいいでしょうに」
それから、二人の言い合いも終わったことに、
二人は、京一郎さんのことを教えてくれた。
京一郎さんは、過度の口下手で人見知りで、
あまり友人も少ない内向的な人なのだが、
なぜか周りが勝手に、自分の像を作り上げていくうちに、こんなことになったらしい。
「つまり、二重人格みたいな感じ?」
「そう。そう。それみたいな?でも、にはバレタから、大体これよ。
慣れると、表のキャラのときに、裏の吹き替えが見えるわよ」
面白いわよと、笑いをこらえて、頬袋をふくらませている美佐子さんを
尻目に、俺は頭の中をまとめた。
つまり、
俺の両親の母親の美佐子さんは、転生。
父親の京一郎さんは、勘違い二重人格?のようだ。
ややこしいと思ったが、俺も同じようなものなので、何もいえない。
それから、一族の総出の反対と、父親の涙の嘆願を、
美佐子さんの一声によって、押し切って、ここに来たのだけれど、
このままロンリーなら一人、寂しいのなら、帰ってもいいと思う。
だって、俺、美佐子さんも京一郎さんも面白くて大好きだし。
なにより、同士は強いし。
このままダラダラいるのは、よくない。
・・・・・・あと、一週・・・いや二週間で、友達出来なかったら、
家へ帰ろう。
美佐子さんには、フラグらなかったで、いいだろう。
他のみんなも喜んでくれるし、そっちのほうが俺も嬉しい。
ああ、やっと家に帰れる。
帰って、溜まっているだろう美佐子さんの本でも読もう。
ふわー、昨日は、修繕をしたから疲れたなぁ。
どこか昼寝が出来る場所はないかな。
と、歩いていれば強い風が吹いて、足を止めた。
2010・4・2
【転生で、勘違いなオタクさん終了。恋愛感情云々以前の友達欲しいな話。
そして、タカ丸は友達換算されていないという(笑)
千代 さんがお気にめしたら幸いです。】