目の前の状況に頭がついていけない。

整理すると。

十年ぶりにあった母様くりそつなのが
昔からうすうす感じていたけど、目と雰囲気以外そっくりね。あ、あと性格。

そしてそれに抱きついているのが、
試験のとき騒音を巻き散らかしていた孔雀男。
しかも楸瑛様の弟。

黙っていればそっくりだ。

そうかそっくり大会か。





「ははははは。」


「し、秀麗さん。大丈夫ですか?壊れてますよ!!」

秀麗は乾いた笑いはしている。
影月が秀麗を落ち着かせようとするが一向に良くならない。
すがるように楸瑛に目を向けると。


「え〜と、大丈夫ですか?」


そちらも同じく驚いた顔のまま固まっている。
声をかけられようやく解凍すると。
影月の肩を掴み動揺を隠し切れないまま。


ということになるのか?そしてあそこにいるのは私の弟・・・・・・か?」


「いえ〜僕に聞かれてもそれは答えられませんけど。
確かなのはそこで満面の笑顔で抱きついているのは龍蓮さんですよ。」


「楸瑛様!!どういうことです?なんでと孔雀が抱き合って?」

秀麗は楸瑛の服を掴むとおもいっきり上下に揺すった。
楸瑛はただされるがまましていたというよりされるがままになっていた。


「しゅ、秀麗さんそれじゃ喋れませんよ〜。」

影月の助言のおかげで秀麗が楸瑛から手を離すと
楸瑛は少々くらくらする頭に手をやり
秀麗のセリフから親しい間柄で紅家ということで。


いやは君の姉か?」


「違います。妹です!!」


「何!!あれで秀麗殿よりも年下?!」


「じゃ僕と年近いですね〜。」


「愚兄その四。心の友その一もとその二から離れろ。貴様に触れられると孕んでしまうだろう。」


三人はいきなり飛び込んできた声の主を見た。


「龍蓮。どうゆうこと?なんでと!!」


秀麗は龍蓮に掴みかかりそうになるが
さっき楸瑛を掴んだこともあるのでぐっと我慢した。


「む。なんと心の友その一とは姉妹であったか。まさしく運命だな。」


相変わらず的外れな答えをいうのに
イライラしながらも秀麗は龍蓮をにらみつけた。


「いいから。答えなさい。」


「そうだ。龍蓮。一体どういう関係なんだい?」


二人が龍蓮にくらいついている中一人のほほんとした声が


さんは帰ってしまったんですね。残念です。お会いしたかったのに。」




「「え?」」





その言葉に二人は影月を見た。
急いでさっきまでいた場所に目を向けるがはいない。



「うむ。はなにやら用事があるらしく帰ってしまった。」


「なんで引き止めないのよ。私十年ぶりにあったのよ?!」


「また会えるだろう。」


「龍蓮。関係はなんなんだい?」


「確認した。結果報告にあった通りだ。」


「・・・・・・そうかい。」


二人の雰囲気を理解して口をつむんだ秀麗だが、
足早にその場を去った。
自分が入り込んではいけない内容だとおもったから。
途中影月を忘れたことに気付きまた元の道を戻ることとなった。








「その龍蓮がものすっごい笑顔で抱きついた女性がいるのよ。」


龍蓮の話を邵可とした秀麗は、本題へと入ることにした。


「おや、その人は龍蓮くんをうけいれたんだね。」


「・・・・・・父様もしっている人で。」


「?誰かな。」


お茶をすするすすりながら分からないという顔をした邵可に
秀麗は間をおいてから


「びっくりするわよ。父様。なんとよ!!」


?」


「うん。」


秀麗は父の反応を見て知っていたのかと思ったが


「・・・・・・がここにいる?」


「・・・父様開眼しないで。」


「しかも龍蓮くんが抱きついた?」


「父様湯のみが凄いことに。」


「・・・秀麗。」


「な、なに?」


「ちょっと用事が出来たみたいだ。すぐ帰るから。」


誰か人一人殺しそうな勢いで邵可は家を出て行った。
秀麗はその姿を見ながら誰だか知らないその人物の冥福を密かに祈った。








*おまけ


「兄上!!どうしてここに?」


「やあ黎深。ちょっとききたいことがあるんだけど。が帰ってきたって本当?」


「・・・・・・本当です。」


「で、今どこにいるか。もちろん君は知っているんだろう?」


「え、えっと。」


鳳珠家にいる=結構前からいたことがばれる+鳳珠
=知ってたのに教えなかった+嫁入り前なのに男の家=殺される。


「黎深?」



「ひぃぃぃ。」


兄上の笑顔は顔は笑っているけど目はまったく笑っていませんでした。









2007・7・12