もしもこの国を作ったと言う仙人がいるなら、分かるだろうか。

私をこの世に送り出した意味を。

紅 邵可と薔薇姫の間に生まれた紅家直系の次女として生を受けた。


生まれたときは私は自分のことをなんら他人と変わらないと思っていた。

生を受けたときから記憶を失はないことが皆当たり前だと思っていた。

両親も少し愛想がなくちょっと頭のいい子ぐらいにしか思わなかっただろう。



だけど、

理解したのは母の死。

皆泣き崩れる中私は、泣かなかった。

泣けなかったのではない、なく意味が分からなかった。

少女は最後に母親に言った言葉を胸にひめ

そして、自分が異常であることを理解した。


人から分からないと言われることも

一度見ただけで忘れない言葉・風景も

何しても2度目でできることも。




家人がものを盗んでいなくなることも分かっていたので、

盗まれてはいけない最小限度を先にとっておいた。

この先が少し読めることも異常だと。



母の大事な形見の短刀が言ってるように雷に照らされ光っていた。










2007・3・12