声が出た
手術の後遺症みたいなものはなく
最初無表情だった顔もまわりに合わせることができるようになった
彼はそうして気づく
名前がないことはとてもふべんだと、彼は名前を今彼らから与えられることは
ないと悟った
彼らは復讐に燃えていたから、
彼は自らに名前を与え名乗った 縁と
骸さまから救われた俺たち2人は、
骸さまを自然と慕った
犬は、骸さまのいうことならなんでも聞くし俺だってそうだ
けどもう一人の縁はまったく分からない
犬と俺は近くにいた
骸さまいわく隔離された病棟の中にいたから知るわけもないと
縁は肌が白く髪は俺と骸さまみたく黒いけど深い青みがかった色をして
目も黒い身長は俺たちのなかで一番大きく
どこからどうみても美少年だ
前買い物をしていたら縁は逆ナンされていたが、
するりとかわし断ったにもかかわらず頬を赤く染めている女たちをみて
そしてその数を考えて
彼は将来ハーレムで王国でも築けそうだと本気で思った
縁は骸さまのいうことを聞くときと聞かないときがある
曰く「暇じゃないから」の一言で
骸さまの笑顔に亀裂が入って黒いものが出ていたが
本人はサラリと笑顔で流した
殺しの仕事は必ずやる
殺すのが好きなのかと聞くと「いいや、嫌いだよ」と笑顔で言われる
獲物はだいたいそこら辺に転がっている奴で、俺らと同じ身につけられた能力を使うときは稀
その点はふれないようにしておく
趣味は料理と裁縫らしく
時々どうやって作ったか微妙な料理場でも彼はごはんをならべる
みんなその時は必ず帰ってきてご飯を食べるほどその料理は美味しい
いまのところ縁以上に美味しい料理を食べたことがない
彼は店をだせば成功すると思う
そしてどこにかくしていたか分からない布地と糸とブラシで
骸さまを綺麗にする
いつも男らしい恰好を好む骸さまが女だと思い知らさせる時で
骸さまはその時を『恐怖の時間』だといって何時も逃げ出す
結局捕まるが、捕まったときは観念して彼のそばにいる
それ以外では骸さまはあまりソバにいないと言うことに気づいた
きっとこれが嫌なのだろう