私はとても普通な少女でした。

だけど、どこかで狂ってしまって、いつしか時が刻めなくなってしまった。
気が狂うほどの時の中、私は一度も自分の身を憎くことを思うこともありませんでした。

あなたに、逢えたから。


私には住む国はありません。
だから、国を作りました。小さな小さな国を。
名前もない小さな国は、徐々に人が集まりました。
彼らは、静かで何にも侵されない場所を探していたのです。



そして、私はいつしか人ではなく国になっていました。


「ヴェー。これ、もってきたんだよ。君に似合うと思ってさ」

「ようし、これからは守ってやるぞ。なんせ俺がヒーローだから」

「こんにちは、さんですか?私は日本です」

「べ、別におまえのこと心配してるわけじゃないからな。恩を売ってあとで返してもらうだけだからな」

「うーむ、そうだな。ここはビールを飲めばいいだろう」

「何あるか?あいやーお前小さいあるな。えっ?もう一度何歳かいうよろし」

「マンセー」

「うん、のところの人は好き。よく美術品をくれる」

「で、ピンクの種あれ作ってくれん?」

「お馬鹿さん。本当に貴方って人は・・・・・・救いようがない」

「なぜ、敵を野放しにするのだ。我輩ならすぐ排除だ」

「やぁ、遊びに来たよ。ウォッカ持って来たから、料理作って」

「てやんでぇ、おい、仮面まだできないのかよ?」


本当に、後悔なんてしていない。たとえ時を刻めなくても、
こんなに素敵な人たち、いいえ、国たちに出会えたから。


だからね。

「お、おい。怒ってるのかよ。。悪かったって、だから、無視すんな。
女の子はあれだよ。なんか条件反射だって、あーでもさっきの子可愛かったな。
うん、っておーい行くなよ」


ロマーノが後ろから半べそかきながら追ってきたけど、靴紐でこけている。
その姿に、少し母性本能がくすぐられたが、そのまま無視すると、

「よう、今日も綺麗だね。

バラを出して気障なくらいな行動が、この人がとると様になるから不思議だ。

「一人のところをみると、またポカしたのかな?」

私の長い髪に口付けた。それからスっと自然にエスコートして、

「いいとこ知ってるけど、どう?」


フランスのいいところというのは十中八九、美味しい食べ物や喫茶店だ。
私はそこがどんなに美味しいか知っているから、
それと、ロマーノの女ぐせの悪さにほんの少し怒ってもいたので、
頷いて、一緒に行こうとすれば手を誰かに引っ張られた。

「こ、こいつは俺のだから誰にもやんねぇんだからな。このやろう」

私は目を見開いた。
だって、ロマーノはフランス怖いっていってどこかへ逃げるのに、
いつも来れば、私を盾にして分かりやすい場所に隠れるのに、

少し怪我をしてるのは、やっぱりさっきこけたんだろう。
靴紐だってちゃんと結べてないのに急いで来てくれたんだろう。

無言のにらみ合いに、フランスは息をはいての手を離した。

「まったく、そんなに大事なら、手を離すなよ。俺のほかにも狙ってる奴は大勢いるんだから」

そういって私にウインクしながら帰っていく彼はやはり大人で、
よこで二度とくんなといっている彼は子供だ。

でも、




「あ、なに笑ってるんだよ。。こっちは大変だったんだぞ」




時間が狂ってしまっても幸せだと思える今があるのは、きっとこの人のおかげだから。
あなたはなんて愛しい人。









2009・3・29