【平和な平家】
「ええ、ですからその時間をお譲りくださいと言っているのです」
「フフ、おかしなことを言いますね、重衡殿。前々からその時間は私にと開けてくださった時間。
なぜ、お譲りしなければならないのですか?」
「なぜって、それは愛しの雪希様とゆっくりと愛を語らうからです」
「愛を語らう?フフどうやら聞き間違えたようで、迷惑をかけに行くようならば、この惟盛少々、貴方様に
お灸をすえなければなりませんね」
「ええ、私も今そう思っていたところです」
二人が獲物を取り始めた姿に、敦盛が慌て始めたと頃に知盛が入ってきた。
「なにを、していらしゃるんで?」
「「知盛」」
「知盛いいところにきましたね。今日の寝床変えて下さい」
「は、破廉恥な。貴方はなにを考えてるんです!!」
「だから、雪希様と愛をはぐくむんですよ」
「あ、貴方という人は〜〜〜〜!」
「いいではないですか!いつも知盛だけ、ずるくはありませんか?」
惟盛と敦盛が沈黙すると、知盛をみた。
「あ、あの知盛殿、その雪希とは・・・・・・なにもなんですよね?」
「ックク」
一言笑うと、知盛はスーッと帰っていった。
その姿に唖然としていた三人はすぐさま知盛の後を追った。