【IF3〜日常・君を知っていく〜】
「ほらぁ、昼だよさすがにおきなよ」
「・・・やだ」
「やだじゃなくてもうこの子は」
「寒いのキライ」
そういっては布団に潜り込んだ。
ここの家に来てからは驚くほど気持ちを素直に出せるようになったと思う。
好きとか嫌いとか前だった言わなかった言葉だ。
まぁ態度には出てたけど。
僕は、君をもっと知っていく。
豆腐が好きでねぎは嫌い
温かいは好きで寒いは嫌い
全部器用にできると思ったら、習字はうまくない。
書くときは普通なのに字だけを書こうとすると象形文字になる。
あれはある種の才能だと思う。
あ、あと
龍蓮との賭け事で分かったんだけど、賭博類はお金をかけない限り負け続ける。
僕との旅先では彼女が負ける姿を見たことなかったから。
龍蓮に負けたときは上がいるんだなと思ったけど、賭けをした途端勝った。
彼女曰く、賭け事は賭けをしたときに本領発揮できればいい。らしい。
・・・・・・負けず嫌い。
秀麗さんとはまだ色んなわだかまりがあるみたいだけどちょっとずつ距離を縮めているみたいだ。
他に、
お父様というとものすごい殺気をだす邵可さんとか・・・ちょくちょく毒を吐く静蘭とか・・・。
此の頃家に居つき始めた龍蓮とか・・・扇を僕とが居るたび投げてくる人とか・・・
僕との壁は厚いと思う。そして周りに集まってくる人が濃いと思う。
けどまぁそんなこと、横にがいて笑ってくれてたら屑みたいなもんだ。
最初誰の傍にでもうかつに寝れなかった君が安心して僕の傍で寝ている。
(間抜けなみのむしの格好で)
寝てる姿もいいけど僕は君と話したいから。
「ほら、起きる」
君から布団を取り上げる。ぼーっとした姿のままで。
現実が見えていない目で一言。
「寒い」
冬はいい。寒いとは擦り寄ってくる。暖いものに。
つまり彼女は僕で暖をとる。
僕の胸の中に居る小さい背中に手を回していつもと違うあどけない顔みて
泣きたいほど幸せだから。
生きていて良かったと本当に思える人に出会わせてくれてありがとう。
そしてそう思わせてくれた君にありがとう。
その言葉はおきている君に言いたいけど恥ずかしいから、寝ている君に呟いた。
それから僕もいつの間にか寝ていた。
・・・結構深く寝ていたようだ。
周りに散らばっている扇がそれをあらわしている。
もう面と向かって起こしたほうが早いんじゃないかな。と思っていると腕の中でが動き
「・・・暑いと思っていたらそうかそりゃそうだ人布団は暑い」
「寝ぼけてるね」
「確かに人布団だから一人足りないな」
「僕は布団それとも布団の下のほう?っというか僕以外認めないよ!!」
「・・・・・・何言ってるんだ北雪」
彼女についての知識、冬の寝起きはよくない。そしてそのときの記憶はまったくない。
「・・・・・・おはよう」
ため息をつきたい気持ちを抑え、腕の中から出て行く彼女を見つめることしか出来ない。
彼女はそんな僕を不思議そうに見つめながら。
「そういえばいい夢を見た」
「へーどんな?」
「北雪と一緒にいた」
本当に負け勝負だね。
僕は君の一言でこんなにも幸せになれるから、君の変なとこも全部愛しく思える。
まったくまいっちゃうよ。
「そう」
僕は照れた顔を隠すためにそっぽを向く。
彼女は幸せそうにちょっと笑う。
彼女は、少し意地悪で僕がそっぽを向いたときだけはにかみ笑顔をしている。
僕たちは互いを知っていってそれで両方幸せならそれを愛し合うっていうんじゃないかな。
と臭いことを考えていたら静蘭が毒をはきにきた。
まったく、彼はタイミングというものがなってない。KYだKY。
空気よどませる。
僕と静蘭のやり取りをみてが笑っている。
うっすらと、さっき僕との方が絶対上だけどそれでも笑っているから
こういう日常も悪くない。
2008.2.11