【IF〜もしも北雪が、死ななかったら〜】
サクラの花が散った。
もう二度と君と一緒に見れないと思ったサクラが、僕の頬を掠めた。
「北雪」
「何?」
サクラの色と君の色は似ているけどやっぱり違う。
「外は冷える。中に入ったほうがいい」
彼女は、一般的に無表情。僕的には心配顔で。
たしかに、今日は春の陽気さというよりも冬の横暴さが全面的に推し進めるような天候だ。
だけど、
「大丈夫大丈夫〜。もう元気回復モリモリだってば」
本当に、最初から病などなかったかのように僕は元気になった。
それもすべて、適切な治療のおかげで、
しいてはのおかげだ。
そして今、宿に泊まるという経済的余裕も彼女のおかげだ。
つまり、つまり僕がここで少し冷たい風にあたってるのは・・・・・・。
そういうことだ。
不甲斐なさ過ぎる。
「・・・・・・・・・・・・」
「わぁその顔可愛い」
うんうん。それはヤバイぞ。
なにそのふくれっつら。
納得いかないぞ!顔。
保存用・使用用・予備用で三枚確実に取っておきたい!!
「っっっう、うるさい馬鹿。こっちは真剣に」
「えへへ。ねぇ」
やべ、今のテレ顔は、ご飯でご飯三杯食べれるよ!
「・・・・・・なんだ」
「僕が死んだら、は僕のために涙流してくれたかな」
「・・・・・・」
あ、ちょっとミスった。
感傷に浸りすぎた。
「まぁ辛気臭い話はいっか。こうしてが、家族紹介してくれるわけだし〜」
僕は部屋に戻る。
この話は、まだタブーなんだ。
「北雪」
「ん?」
「私は未だに自分の感情が分からない。自分が分からない」
「うん」
「けどお前がいない世界は。・・・・・・そ、想像するだけで、胸が苦しくて変なことになる
だから、その」
「それは反則。退場。スリーアウトだよ」
・・・・・・けど、
「何か悪いことでも言ったか?」
「、男って生き物はね。とっても怖いんだよ」
けどね、
「?北雪なら大丈夫だ」
「ちょっと意味あいが違う。嬉しいけれどもきっと意味違うから!!」
凄く嬉しい。
「だ、大丈夫か?」
「うん。落ち着いた。さて」
不器用な君が伝えてくれた言葉が。
「なんだ」
「のお姉さんに、ちゃんと言えるといいね」
今、こんな風に生きれて
「うん」
「お父さんにもちゃんと言わなくちゃね」
君と一緒に歩めて
「うん」
「あと、え〜と家人?の人にも」
君をもっと知って
「うん」
きっと、絶対、もっと、僕は君を
「。愛してる」
「・・・・・・私も愛してる」
まだ僕と君との仲ははじまったばっかり。
君の愛はきっと親愛の愛。
君と僕との愛の差が分かるまでには時間がかかるけど
「う〜ん。ま、じっくりいこうかな」
まずその前に外堀を埋めよう。
家族に認められなきゃ。
よし、安定した職でも始めようかな?
2007・11.8