の妹の怜奈が出てきてから、もっぱらと入れる時間が増えた。
怜奈が、雲雀の話をして傷つく前にを守っている、というのは建前だ。
ただ、雲雀の話なんかで傷つくの姿が見たくなかった。


この頃、と話すたびに、視線を感じる。
そりゃそうだ。
に興味がなければ気づかなかったけど、、意外にもはもてる。
他の女子とは、違って大人なとこがいいとか、
雲雀さんに一途な所をみて惚れたとか色々あるが、
一緒にいることを、他の奴らにやっかまれるほどには興味を抱かれている。
やっかむやつらには、それとなく牽制をしてきたが、こればっかりはどうしようもなねぇな。
どうしたら、告白する奴らを止めるのか。


・・・・・・ああ!簡単なことがあった。

そして、俺は、自分自身のために噂を流した。
俺とが付き合っているという噂を。
だって、俺はが誰か他の奴に告白される姿ですら嫌なんだから。
こればっかりは、しょうがないのな。
それに、いつか本当にすればいいだけの話だから。


噂を流してから、数日後。
何人にも噂の答えを曖昧に受け流してきた。
そうだとも、違うとも、とれる返答を。

今、

俺は意外すぎる奴から質問を受けた。
そんときゃ、そりゃねぇだろうとか、お前は違うだろうとか
頭がクルクルと回って、心はどろどろと染まっていった。

ほんと、に

なんでだよ。
なんでお前が来るんだ?
あんたは、妹がいるだろう。
振って、興味なんかずっとなかっただろう。
なのになんでいまさら、お前がここにいるんだ。



なぁ、雲雀。




「答えなよ。山本 武」

そう言った首元に突きつけられたトンファー、目には、確実な殺意。
なぜそんなもん向けられてるのか、俺はすぐ分かってしまった。
だって、俺もそうなんだから。

だから。


「先輩の思ってるとおりですよ。にも聞いてみたらどうっすか?」


俺の目にも、あんたに対する殺意があっただろう。
いや、殺意という名の、嫉妬。
俺のことを咬み殺すの忘れるほどに、あんたは。
後ろから聞こえる壁を打つ音に。

ぎりっと握った手が痛い。

やめてくれよ。あんたは、妹と恋人のままでいてくれ。
俺は、あんたにを奪われたくない。



「・・・ちくしょう」

「・・・どうかしたんですか?」

と一緒に昼飯を食べていたのに、あの人の思いを思いしらされた。
あの後、告白しようとした奴が教えてくれた。
告白する奴らを、風紀委員で徹底的にうちのめしてる。
なんで、そこましときながらあの人が妹を選んだのか俺には分からない。

けど、

食べてしまえばコンビニ弁当は食べれなくなるほど
うまい弁当を、俺は食べている。
そして



「はい?」

「やっぱ、なんでもねぇわ」

「・・・今日はとても変ですね。武くん。風邪引いてるじゃないですか?」

心配して、俺に触れる。
俺の名前を呼んでくれる。




あんたに、はわたせない。
わたしたくない。




2008・12・5