「今日は転校生を紹介します」
教師が転校生の到来を告げる
教室の中の人々はざわめく
都心の交差点に来たような気分を味わう
雑音徐々に消えていくなか私は遠くでその光景を見ているしかない
騒ぐこともせずこれから来るであろう
人物がたつ場所をじっと見つめ続けていた
そして京洛 は視覚に入れた
長く少し色素の薄い髪が教室に入ってくるのを
可愛い顔をした長い真っ直ぐな髪を二つにくくった女の子
ちっとも自分に似ていない女の子
瞳の色だけがそっくりの茶色の色
けど彼女は輝いていて黄金に見えた
「京洛 怜奈です。仲良くして欲しいな」
その子が私の同じ苗字を名乗った
その子は私を見てふんわりと笑った
は静かに京洛 怜奈から同じ色の瞳を逸らした
怜奈と呼ばれた少女の周りには転校生独特の質問攻めにあっていた
はそれを動物園のようだと重いながら遠くでみていた
自分がここにいるか不安になる感触けどはソレを望んでいた
「京洛さん?」
自分を呼ぶ声がすることにも気付かなかった
いつものへらりとした笑顔をしながら振り向くと
そこにはツナ君がいた
そして案の定山本君と獄寺君もいた
山本君は笑顔で獄寺君は不機嫌にツナ君はおどおどと
この三人は毎度同じ顔で来る
三人が違う顔できたことを想像して吐き気がした
顔には表れなかったようだ
ツナ君は毎度の言葉を口にする
最初乗り気じゃなかったツナ君はいつの間にかリボーン君よりも私を誘うようになった
何時からだとかよりももうやめてくれの感情が近い
「入ってくれないかな?」
私がツナ君に言葉を言うよりも獄寺君が私に文句を言うよりも
山本君が視線で私に促してくるよりも
「久しぶり、ちゃん♪」
いつの間にか怜奈は私たちの傍にいた
「知り合い?」
ツナ君が私を見た
「にひひひ、なんと怜奈ちゃんとちゃんは姉妹なのです」
自然な笑顔かわいらしい笑顔で怜奈は答える
私はただ沈黙を守り通す
「え、ふ双子」
「へえ似てないのな」
「にひひひよく言われるよ〜」
会話が続けられていく。たわいもない会話
「お前が京洛 怜奈か?」
何時来ました?と大声で怒鳴りたくなるほどの自然にそこにリボーン君はいた
「あれ?君って・・・リボーン?」
「そうだぞ」
「本物〜凄い!」
怜奈はキラキラと尊敬の眼差しをおくる
私にはその気持ちがよくわからない
「ボンゴレに入らないか?」
「入る。私もボンゴレになる!」
私はその言葉を聴きちらりと時計を見る
いつの間にかこんな時間だ
「あ、ごめんねツナ君委員会があるから」
「待ってちゃん一緒に行く」
怜奈は私についてきた
ツナ君は止めようとしたけれど
だって場所が場所
私がいるから大丈夫だと理解したのだろうか
何も言わずリボーンに何かを喋っている
廊下では、怜奈は何が楽しいのかにこにこと笑顔のまま
私との距離は人が二人分はいるくらい
会話はない
ガラリと普通の教室でする音がしない重い扉を引く
ここの雰囲気は独特で静寂としかいいようがない
まぁここの主がそれを気に入っているからと周りが恐れているからもあるだろう
応接室と書かれた文字の部屋を私は開けた
2008.7.1