その間は短かったのか長かったのか分からない。

鏡はじっと雲雀を見て、を見た。
死んだように眠る彼女の姿に微笑を零した。
それは自嘲のようでもあり、神に告白するようでもあった。

「治す方法ね」

鏡は、冷えてしまったお茶に手を伸ばした。
湯飲みは、もう熱を持たず無機質な感触が伝わる。
鏡は、淡い緑色した液体を眺めていた。
自分の顔がゆらゆらと浮かんでいる。

「貴方に、そしてドクターに話しても無意味なことよ」

シャマルは、窓に顔を映し手を顔で覆い隠していた格好から、
手を離し窓に映っている鏡をみた。
雲雀は、から視線を鏡に移す。

「それは僕が決めることだ」

「オカマやろー見くびるなよ。これでも、俺はドクターなおす人だぜ?」

シャマルは、窓から離れてじかに鏡をみた。
鏡はそんな二人を毛等も見てないでただただずっとお茶を見ていた。
カチ、カチと時計の音が鳴る。鏡は重い口を開いた。

「・・・・・・方法教えてあげるわ。ちゃんが生きる方法は、二つある。
生のための死か、死のための生か、よ」

「これは、抽象的だな。お前さんは焦らすのが好きなのか」

「どちらも、誰も介入できない。それを選択するのもそれを行動するのも、
ちゃん一人だけ」

「つまり、ちゃんのかかっている病気は、病気じゃないってことか?」

「案外頭いいのね。その通りよ、あれは人為的なもの」

シャマルは、どっかと椅子に座り息を吐いた。
椅子は、シャマルの体重に音を鳴らした。

「そうか、やっぱりな」

「納得しないで、さっさと言え変態保険医」

雲雀は、シャマルの態度にイラつた様子で、今にも襲いかけんばかりだ。

「うぉ、ちょっとトンファー出すなよ。ここに病人がいるんだからさ」

その言葉をきき、雲雀は殺気とトンファーを収めた。
そんな姿に、おやっとシャマルは思うと急ににやつき始めた。

「あらま、素直なこってぇ」

お前にも思春期があったとはなぁ〜、とおちゃらければ雲雀からの殺気のこもった目。
シャマルは、わざと身をすくめた。

「おおコワ。まぁ、つまりだな。ちゃんのかかっている病気は、死にいたらしめる病気で
それが人為的なもん、もし病気ならちゃんはもう死んでる。
けど、ちゃんはちょっと前まではその病状がまったくない。
なんかの条件により発動するようになってるんだろう。
それは、あの光と急にちゃんの強くなったことに関係あるってことだ。
問題なのは、あれが人為的なものならば、俺に治す術もない。
もちろんお前もだ雲雀」

分かったか。とばかりに雲雀をみれば顔を勢いよくそらされた。
あれま。とシャルマが思えば鏡はお茶を飲まずに置いた。
静かな沈黙が、三人を襲った。
それを破ったのは、雲雀だった。


「・・・・・・はどうするのさ」


「さぁ、私にも分からないわ。ただ、私はどこまででも着いていくそれだけよ」


鏡は、すべてを覚悟した男の目をしていた。










2009.1.8