願わくは、貴方が無事であるように。


暗い暗闇の中、自分が安心していることに気付いた。
もう目は慣れていて隣の怜奈も、
目の前で敵としている煉と燐も分かる。

始まりの合図が聞こえて、怜奈がに耳打ちした。

「さっき言った通りね」

さっきとは、怜奈が言った作戦だ。
まずは、怜奈が二人の連携プレーを崩し、戦闘能力が低いと思われる
煉を私が狙い、燐を怜奈が相手するというもので、
の役目は時間稼ぎだ。
これはあるルールから出来る方法。
それは、一人でも相手が『参った』と言えばいい点だ。
怜奈はそこをついた。
確かに、怜奈の戦闘能力は二人が別々になれば適わないだろう。

燐が短剣を取り出し、たちに投げてくる。
煉は燐に指示を出している。
それは的確に行こうと思った方向で、急所はかわしているが、
切り傷が出来ているようだ。頬っぺたや足、腕がじりじりと熱い。
ギャハという燐の笑い声と余裕で手を組んでいる煉。
かわせるんじゃなくて、相手をなぶる殺すような攻撃をしている。

・・・・・・性質の悪い連中だ。

ちらっと、横を見れば怜奈には少しも傷がない。
足元を見れば、剣が落ちている。
膝が上がり足のつま先を上げて怜奈が二人の中に突っ込む。
もそれに続き、突っ込んでいく。
怜奈は左へは右へ。
分散して剣が振ってくる。それはさっきよりは威力が低く、避けることができる。
相手は、いきなり突っ込んでくるとは思わなかった

わけがなく、

「僕たちが二人で最強って言われている意味をはき違えないで欲しいな」

そんな声と共に、ジャラっという音。
これは、やばい。の中で警告音が鳴る。

「まずは、いきのいい『至宝の珠』から、かな?」

「怜奈!!避けて」


剣の嵐がやまぬうちに、二人が取り出した、鎖によって
怜奈の体が捕まる。鎖は首、それぞれの手と足にからみ、
怜奈はそれを足で砕こうとする。

「遅いよ。『呪縛漆黒蝶』」
「ギャハ、挿されてバラバラになっちゃえ!」

ジャラジャラと伸びる鎖を煉と燐が力を入れてひく。
遠くにあった短剣がつけられた鎖が怜奈の心臓を狙っている。
体は貼り付けられて動くことが出来ない。
ミシミシと体がなっていて、怜奈から声がもれた。

「ふ、残念」
「ギャハ」

短剣はの手によって叩き落されていた。
凄い速度できていたので手から血がたれている。
怜奈は自分の力で体に巻きついてあった鎖を足で叩き壊した。
は怜奈に駆け寄った。

「怜奈!大丈夫?」

「うるさい」

「おや、仲間割れ?」
「ギャハ最低最悪」

「うるさい、うるさいのよ。私が負けるはずない!京洛の名前すら持ってない奴に」

怜奈はそのまま燐に蹴りを繰り出す。
短剣で防ぐもののそれよりも速く、重いそれは燐に傷をつくり出した。
煉は、怜奈の言葉で一瞬とまったものの怜奈を鎖で止めようとする。
は、その一瞬のすきで煉のもとまでいくと鎖の手を握った。
は、力をこめめて手を握ると、煉は手を払いのけて後ろに下がる。


「こんばんわ。苗字がない煉さん」

「・・・こんばんわ。京洛家を出たさん」










2009.1.4