今日も、私は走っていた。
後ろをギュレルさんがついていたはずだか、いつの間にかいない。
走る足を止めたれば、すぐに息を整えられる。
最初よりも体力はかなりついた。
周りの森を歩く。
あのままの格好できたから、並盛中の格好で
ロファーは泥だらけになっている。
道なき道を進めば、さくさくと草を踏む音が聞こえた。
空を見上げれば、昼間に月が出ていて
うっすらとした存在が、遠くに見える。
月から離れた太陽の日差しが、強い。
光から目を守るために手をかざせば、ガクガクと震えている。
それを、無感情で見つめる自分に嫌気がさす。
空気を、肺一杯に吸い込んで息をはいた。
その頃、ディーノと雲雀が戦っていると、
一瞬強い殺気を感じ、二人ともその拠点を睨んだ。
近くにいた怜奈も、同じ場所を睨んで、ロマーリオは懐に手を入れていた。
鳥が、一斉に飛んでいく。
間違えかと、思うほどの長い時間。
みなが、息を飲む。
「やぁ、こっちだよ」
声がするほうを向けば、一人の青年がヴァリアー特有の黒い服をきっちりと
着込んで視線と反対側の岩に腰掛けて手を振っていた。
それに気をとられれば、さっきの見ていた方向からナイフが何本飛んでくる。
雲雀とディーノは、それを叩き避けると
怜奈に隙ができて青年が怜奈の頭に銃を押し付ける。
カチリと、音がしロマーリオが銃を狙うよりも先に
「そこまでだ」
青年の後ろにギュレルが立っていて
怜奈と同じようにし青年の頭に銃を突きつけている。
青年は、両手をあげて銃をおろして、
何本も短剣が投げられてくる場所の方をみると言った。
「燐、つかまっちゃたよ」
「ギャハハ。なんだよー。煉つかまちゃったのかぁ?」
ガサリと音も立てないで、ディーノと雲雀の前に現れたのは、
同じくヴァリアーの服だが、ズタボロに引き裂かれれて
露出が多い服をきた青年がでてきた。
二人とも、同じ顔で茶色の髪と、茶色の目。
しかし、素材が同じでも作り方次第で、いくつも作れるように
二人は、違った。
煉と呼ばれた青年が、好青年なら
燐と呼ばれた青年は、不良だった。
雲雀は、この雰囲気のなかのほほんとしている彼らに
トンファーを構えたが、ディーンがそれをとめる。
「君たち何なの?咬み殺すよ」
「待て、恭「うぉぉぉぉぉぉい。お前ら勝手なまねすんなぁ」」
ディーノの声を大声量で遮ったのは、
森の中から現れた銀髪で長いサラサラであろう髪には枝が刺さっている。
その人物は、ヴァリアーの服を着込んでいたスクアーロだった。
「久しぶりだなぁ。跳ね馬」
とディーノをみつけ剣を取り出し邪悪に笑うが、葉っぱがどうにもコミカルな表現をしている。
周りの変な空気にスクアーロが首をかしげていると、
煉が、スクアーロを指差してにこっと笑う。
「スクアーロ。髪に付いてるよ」
「ギャハハハ。マヌケェ」
「う、うっせぇ、大体なぁ、敵情視察とか言って俺を連れて来るなぁ!」
「あはは、僕等じゃ迷っちゃうでしょ」
「ギャハ、頭わるぅー」
「スクアーロ、お前」
ディーノの苦労してんだなお前という目で、はっとすると
それをかくすように、大声で言う。
「で、見つけたのかぁ!」
「うん、目の前のがそう」
煉は、目の前にいる少女を指差した。
怜奈は、戦闘態勢で足を肩よりも広げて構えを取っていた。
それをみて、燐があーあーという声と少女を興奮げに指差している。
「ギャハ、あれー京洛 怜奈じゃん、本物スゲー」
ディーノと雲雀を置いたまま、怜奈の元へ行こうとする、燐に
雲雀がトンファーをディーノが鞭をギュレルとロマーリオが銃を
それに応戦するようにスクアーロが剣を持ち出したとき。
「あれ、皆さん何なさっているんで?」
ガサガサと、音をたて現状をまったく理解してないがその場の空気を壊した。
みなが気が抜けたように戦闘態勢をとく。
煉は、をまじまじとみると、
ありえないという顔をしながらを指さした。
手がいくぶん震えている。
「もしかして君がそう?」
「ギャハないないって弱そうだしぃ」
は指差されたことを不快に思いさされている位置からずれた。
「はぁ、弱いですが、なにか?」
幾分か尊大な態度で弱いことを認めたに賞賛さえ覚える。
ディーノは、から二人の視線から守ると
「そうだ、もお前たちの相手だ」
「へーなるほどね」
「ギャハ」
なにやら納得している二人を尻目に、
は、前にいるディーノに小さな声で聞いた。
「なにがなんだか全然分からないんですが」
「、こいつらがお前らの戦う相手だ」
いつの間にかいたのか、煉が手を出して握手を無理やりされた。
「煉です。よろしく、でこっちが燐」
「ギャハハ。チョウウ弱そう。ギャハハハ」
こちらも、いつこんな近くにいたのか燐が腹を抱えて笑いながら
指差している。は、さされている位置からずれて苦笑した。
「指差しで笑われたの久しぶりですよ」
なんだか、収集がつかなくなってきた頃に、ずっと黙っていたスクアーロが
煉と燐を押しのけての前に来て顔をまじまじとみた。
そして、何かに気付いたように、驚いた顔をした。
「・・・・・・お前ぇは、」
「あれ、あー」
は、額を手で隠す。
「どうしたんだ。」
「えーと、そうですね。
この人超タイプですので、ちょっと席を外させていただきます」
そういえば、は抵抗もしないスクアーロの裾を
無理やりひっぱってどこかへ消えた。
の発言にディーノは石化したまま見送ってしまった。
いや、その場にいた誰もが、
固まってしまい誰も止めることが出来なかった。
周りは、森だらけでグリーン。
鳥がさえずりまくっている。正直ここまでくるとうるさい。
は、足を止めると、ずっとこっちをみていたスクアーロに笑った。
眉間にしわがよっている。あの深さはなかなか取れにくいのに。
クスクスと笑うに、スクアーロが訝しそうに見ている。
「おまえ、なんで」
は、スクアーロの言葉を遮る。
「初めましてというよりも、久しぶりであたってますか?」
「・・・・・・ずいぶん前で一度しか会ってねぇのによく覚えてるなぁ」
「初めて銀髪を見たんですから、覚えてますよ。お名前聞いていいですか?」
「スペルビ・スクアーロ だ」
「私は、です。スクアーロ」
「なんだぁ」
「あの時のことは、秘密になってます、意味は分かるでしょう」
スクアーロは黙った。
「だから、私のことは秘密です」
は、しっーといいながら口に指を当てた。
2008.12.28