あれから色々あったけど、梨華さん。
えーと略奪の病魔にかかっていたあの子は、その友だちになった。
彼女は土下座で謝ってから、告白するように顔を赤く染めて
私に友達になってくださいと、手を出した。
もちろん、OKだ。
いや、OKしなければ良かったかもしれない。
なんだか、そのボディタッチが激しいし、愛してるとか好きとか
恥ずかしい台詞を一日何回も言ってくる。
こういうものだっけ友達?と聞けば、
本好くんはそういうものだよ友達。
それとも好かれて迷惑しているの?と聞き返された。
それはない。
私はこんなに仲の良い友達は初めてで、ちょっと気恥ずかしいだけなんだ。
そういえば、明日葉くんが胃のあたりを押さえて、
違う違う違うあれが友達なら、ハデス先生とも友達だから。
完全あの子、友達の枠組み乗り越えようとしてるし、
ハデス先生に喧嘩売ってるし、気づいて本当。
と何か長い呪文を唱えていた。
藤くんは、これまた梨華さんに負けないくらいの土下座をした。
いいといっても、殴れと言ってくるし、とりあえずデコピンしたら、
じわりと泣かれた。
痛かったの?と色々聞く前に、美作くんが、
男には色々あるんだ。そっとしといてやってくれとのこと。
よく分からない。
終わったあとに、私は真哉ちゃんのところへ遊びにいく。
今度料理を教える約束をした。もちろん梨華ちゃんも一緒に。
梨華ちゃんと真哉ちゃんは時々バトルを繰り広げる。
運動神経が悪くない二人のバトルは運動神経が切れている
私にとってとても面白い。
それから、
それから、私は誰もいない廊下を歩く。
ここに人がいないのは、ここに続く道に待ってくれている人が怖いから・・・らしい。
本当は優しくて、甘やかしで、とってもすっごく頑張りやな人なんだけど
とため息を吐くが、それでいいと思っているあたり私は心が狭い。
でも、心配するほど格好いいんだ。
みのり先生とかいるときには泣きそうになるし、
どこかのボンな知り合いにも負けたくない。
目下の目標は、胸のサイズを一段階あげること。
だからご飯頑張って食べてる。主に乳製品を。
成果は・・・・・・・体重だけ増えた。
校舎にかけてあった時計がカチリとなる。
おっと、そろそろ私の好きなお茶をいれてくれている時間だ。
今日も私は保健室の扉を開いて、中にいる人に笑みをこぼす。
いつでも、そこには私の大好きな私だけのヒーロがいる。
2011・5・9