たった一つの
たった一つを信じていました。
人はとてもしぶといので、一発でしとめる。
人はとても怖いので、一発でしとめる。
二つの思考が共存するこの体は、たった一つのことを信じていました。
「ゆきだぁ」
白い白い結晶がふってきて、僕のしてきたことを全て隠そうとします。
とても綺麗だから、嬉しいといいます。
とても寒いから、さっさと帰ろうといいます。
ああ、でも僕が帰る場所などどこにあると言うのでしょうか?
昔、つい一ヶ月前には僕には優しい先輩と後輩と友達がいて、
とても幸せでした。そんな日々に、ある日、お姫様がやってきました。
彼女について僕は何も知りません。何も知っていはいけないのです。
だから、僕は口を閉ざしました。見ない振りをしました。
そして、僕に優しかったもの全てが壊れてしまいました。
彼女は笑っていなくなり、彼女のいた間が悪夢だったように、
修復にみな勤しんでいます。
僕は、やはりポツンと一人立っているだけで、
ああ、そうか。僕はどうでもいい存在だったのだと、そのとき悟りました。
修復は、一番、次に二番順位があるから、
僕は何十番目かなので、なかなか来ないので、僕を待つ人などまだいないというわけです。
その事実を知らされて、
僕は泣きました。僕は安心しました。
一つは、悲しくて、もう一つは、僕の罪です。
僕はお姫様の本意を知っていました。
お姫様は大変暇が嫌いそして人が嫌いだから、
好きという感情を振り回し人と人を崩す瞬間を楽しんでいる人でした。
なぜ、僕がここまで知っているかというと。
「」
「・・・・・・お姫様」
「、覚えておいでその感情を。人は人に順位をつける。
お前は彼らの誰からも一番になり得なかった。
お前を一番先に迎えに来たのは誰だ?
私だろう?
お前を一番に思っているのは学園ではない私だろう?
だから、お前は誰も信じず私だけを信じてればいい」
僕は・・・・・・・信じているものがありました。
たった一つ信じているものが。
それはとうとう黒い闇に飲まれてしまって、
僕が信じているのは、たった一人の傍若無人のお姫様だけになりました。
は、とても優しい少年でした。
とてもとても優しい少年だったので、
彼を忘れて一時、離れてしまっても傍にいてくれたので、
誰もが彼は大丈夫だと思っていました。
ことの発端は、学習のためにと来た一人のお姫様でした。
彼女はとても美しい人だったので、彼女はとても賢い人だったので、
彼女はとても魅力的な人だったので、みんな彼女にとりつかれたように
夢中になりました。恋人がいるものは恋人が泣く姿を見て見ぬ振りをして。
好きな人がいても、その人を忘れてしまうほどみんな彼女に夢中だったのです、
しかし学習が終わり、あっさりとお姫様が帰ってしまうと彼らは自分のしたことを悔やみ
みな思い思いに行動し始めました。
そのなかに彼・もいたのだけれど、後ろで頑張ってと微笑んでいたので、
みんな気づかなかったのです。
ようやく、前よりも少しぎくしゃくしたものの、全て元通りになったとき、
一人足りなくなっていることに気づきました。
最初は同じ長屋の八左ヱ門でした。
彼は同じ部屋に住んでいながら彼を長い間見ていないことに気づきました。
慌てて、仲間にの場所を聞きましたが、みんな知らないと言って、
そして彼らもまた自分達の間違えに気づいて走り出しました。
保健委員だったので、保健室に行きました。
そして彼らはまた真っ青になって探し始めました。
穴に落ちたので、丁度そのときに4年の彼もいたので、聞いてみれば
珍しいことに彼の顔色が優れません。
彼は走って、仲間に知らせて、そうしてみんながみんなを探しているときに、
彼は帰ってきました。
みんな彼をみて喜んで駆け寄ろうとしましたが、
彼は昔彼らに向けていた微笑はありませんでした。
どうしたという手も払いのけられて、そうです。
彼が信じていた唯一は、もう食べられて書き直されてしまったので、
彼らではなくなってしまったのです。
は、とても優しい子でした。
いいえ、はとても不器用で一つのことだけしか覚えれない子でした。
だから、は一つだけにしか優しくなれないのです。
唯一が書き直されたにとってこの場所は、帰る場所ではなく去る場所だったので、
なんの感情も感慨もなく、学園に退学届けを出すとそのまま外へ出て行ってしまいました。
「おほほほほ」
外では一人お姫様が高笑い。
お姫様はバットエンドのうえのハッピーエンドが大好きでした。
ほら、見て綺麗な雪は降っている。
一人は綺麗だと、泣きました。
一人はさっさと積もって溶ければいいと、笑いました。
彼らは悲しみました。
とても大切なものをなくしてしまったからです。
何日経っても、何週間経っても心が晴れません。
彼らの心の中にの占める割合はすこぶる大きく、
学園には笑い声が少なくなってきました。
ある日のこと、またお姫様が着ました。
今度は前のことがあったので、みな警戒しましたが、
彼女はにんまりと前と違った悪意の笑みを抱いて、彼らに一人の少年を紹介しました。
「私のもの。っていうの。みんな仲良くしてね」
はでした。しかし、昔のはもういなく、お姫様だけに前のでありました。
お姫様のことをなにより優しい眼差しで見ていました。
ああ、ああ。
誰かの失望の声が聞こえて、失望した顔を見てお姫様は扇で口元を隠しました。
ああ、ユカイユカイ。
これぞ。まさしく、復讐だわ。
お姫様は、お姫様はが昔から大好きでした。
大好きで大好きでしょうがないのに
自分はと結婚も体を結ぶことも口付けをすることも許されていませんでした。
身分が違うからです。
お姫様の気持ちを知ったお殿様はを学園に連れて行ってしまいました。
それは人を信じない彼女にとって絶対を奪われたようなもので、
人を憎んでいる彼女にとって世界は真っ暗に変わりました。
三日に一回だけ送られてくる手紙が彼女にとって全てでしたが、
彼が嬉しそうに学園を書くたびに彼が嬉しそうに友達を話す度に
彼が嬉しそうに自分に報告するたびに、身が燃える思いをし続けてきたのです。
八つ当たりではありません。
彼女は不器用なことに、人を傷つけることでしか愛を計る方法を知らなかった。
真正面からに好きだという方法をまったく知らなかったのです。
彼らが自分の虜になったところから彼らが嫌いでした。
彼らがを放っておいたところから彼らに憎しみを抱きました。
間違えた愛情ですが、彼女はちゃんと
を愛していたので悲しい顔をさせたくなかったのです。
だから、が自分を選んで学園を捨てたとき至上の喜びと、
ここまで追い詰めてしまった彼らに復讐を誓いました。
彼女はとても複雑怪奇な人物でした。女だからです。
自分がしでかしたことで、嬉しさと憎さを両方抱ける器用な方だったのです。
自分を唯一と見るの後ろで自分を殺したいほどの嫉妬を感じて、
お姫様は笑みを深くしました。
あるのは有り余るほどの憎しみだけ。
いくらが自分の唯一になってくれても、お姫様はに触れることなぞ出来ないからです、
触ればには死が待っている事を十分理解していました。
だから、自分に嫉妬する人物はそういうことが出来る位置にいたのに
を離したことを嫉妬しまた馬鹿にし、
そう、彼女は女で、複雑怪奇な生き物なのです。
2009・12・25
【メリークリスマス。雪だけがメリーな感じで、つくり終え読み終わったときの感想。
なんぞこれ?
傍観主?っていうのかバットでもハッピーでもないなんだこれ!!!!】