3・
「どう思う、雷蔵」
「どう思うって、それって、先輩でしょう?」
夜、寝る前に今日のことを同室の雷蔵に言えば、
彼はあのブサイクな先輩を知っていたようだ。
「ブサイクっていうけど、僕にはそんなにブサイクには見えないけど」
「いーや、立花先輩の彼氏彼女のなかの歴代トップを飾るブサイクだ」
「まぁ、あの人は綺麗な人とか好きだしね。
僕も、立花先輩と先輩の一時の話を聞いて、心配したもん」
どうやら、私の親友でもある不破 雷蔵はその先輩やらを慕っているらしい。
「先輩は、いい人だよ。本当時々、この人騙されて騙されて
そのまま死んじゃうんじゃないかって図書委員で困っているぐらい」
と、哀愁を漂わす顔をしている雷蔵が語る彼は、6年は組 。図書委員。
容姿:ブサイク。
性格:騙されて死にそうな人。
聞けば聞くほど、なんでそんな人を立花先輩は、好きになったのかと思う人である。
「だけど、本当は、知っていたんだよ。三郎。立花先輩が先輩に本気なのを、
だって、あの人がはじめて告白した人だよ。そうじゃないかって思ってたんだけど、
僕は、迷ってしまった。ごめんね、三郎」
何を謝るんだろう。雷蔵は何も謝らなくていい。
不破雷蔵は悩み癖がある。それがなければ雷蔵じゃないじゃないか。
「彼を、傷つけることはしないでほしいっていいたいけど、・・・・・・ほどほどにね?」
雷蔵は、痛ましい顔をして私を見た。
彼も、十分私に優しすぎる人だ。
その優しさに今回ばかりは付け入れさせてもらおう。
復讐?違いますよ。これはただ、あなたと同じことをするだけです。
4.
このごろ、変な奴がくっついてくる。
それは俺の図書委員の後輩と良く似た顔をした男だ。
最初、不破かと思って普通に会話していたんだけれど、
「そろそろ、気づいていください。私は雷蔵じゃないですよ」
だと。俺はてっきり不破が、新しい性格に挑戦しているのかと思った。
「へー随分うまいもんだなぁ」
「そうでしょう?私、天才ですから」
「ああ、そうだな。これは天才だ」
と言えば、ふてくされた。なんなんだろう。
だけれど、別に彼にくっつかれても不便でもなんでもないので、勝手にさせておく。
ぴったり腰に密着されても、夜寝るときに上から降ってきても、
そのまま上に覆いかぶさっても、別段気にならない。
これは、半分立花のせいだ。
時々会うあの不器用な友人は、「ありがとう」とか「ごめんなさい」とか
口に感情を出すことを不得意としていて、そのかわりに行動で示す。
部屋から、なにかなくなって、品のいい髪紐とか櫛とか、食いものとかが置かれている。
ときどき置くのを、失敗して、そのまま俺の横に寝ているときもある。
彼はとても綺麗な顔で、完全に寝ているので、俺の布団をそっとかけてやった。
あの日の、本命である潮江への踏み台になった俺の感謝の意らしい。
いいのに、お前らの幸せは祝福してやる。
それとも、もうちょっと手助けしてほしいということかもしれない。
だったら、口があるのだから、正面から言ってもらいたいものだ。まったく。
「不器用だよな。お前の友人」
「・・・・・・そう思えるのは、だけだよ。
あの贈り物はあげてたのか。本命には貢ぐタイプとか意外性がありすぎだよ仙蔵。
というかなくなっているには、どうでもいいの?」
「別に、いらないものだし、捨てようと思っている手ぬぐいとか、ボロボロのクナイとかだぞ?
代わりに捨ててくれてんじゃないか?」
俺の言葉にため息を吐いた。
「貞操の危機になったら、これを」
とそっと渡されたが、一体だれが貞操の危機が迫っているというんだろうか?
俺か?俺は襲うやつがいないと思う。
「だからさ、お前も口があるんだから、言った方がいいぞ」
「・・・・・・立花先輩と同じにしないでください」
ポスっと今日も夜に部屋の中に忍びこんできた、不破偽は今日もまたむくれている。
どうしたものか。
5・
私は、最初その先輩の力量をはかるためとちょっとからかってやろうと、
雷蔵のふりをして一日中傍にいた。
しかし、ブサイクいいや、 先輩は、私と雷蔵の区別に気づくことなく、
「お休み、不破。またな」
と襖をしめようとするから、閉められてからもう一度開けた。
どうした?と不思議そうな顔に、少しイラつく。
「そろそろ、気づいていください。私は雷蔵じゃないですよ」
といえば、ああなんだそんなことと、変装して初めてのリアクションに固まる。
「そうか、不破のイメチェンかと思ったんだが、違う人物なら、なるほどだな」
あははは、じゃぁお休み。とまた閉められた襖に、今度は何もできなかった。
あははは。じゃねぇよ。重い荷物は持たせるは、先輩を顎で使うは、
時々、へばりついたりしてみるは、好物であろう食べ物を食べるは、を
たった一言で、イメチェンだと!!
彼が、怒った時に、違います。鉢屋 三郎です。って笑うつもりが!!
しかもそのあとに、お前は6年生で5年の変装も見破れない馬鹿
っていう嫌味を込めたのに、奴は、そうだな天才だな。で終わらせやがった。
なんなんだ奴は。くそう。一筋縄ではいかないってか?
だから、彼の性格を把握するために
後ろに隠れて、へばりついていたのだが、初めて半日で、とうとう手をだしてしまった。
「おいこら、さっきから、何やらせてんだ。お前がやれよ」
「ひっ!鉢屋」
「ん?どうした」
「いえいえいえ、やっぱりこれは俺がします。先輩はどうぞ、ごゆっくり」
「?うん」
「なに後輩がやる雑用やらされてるんですか?」
「ああ、おまえは、不破じゃないやつだ。昨日ぶり」
「はいはい、昨日ぶりですね。こんにちは。で私の質問答えてくれます?」
「なにを」
「なにをって、年下に馬鹿にされてこき使われているあんたの図ですよ」
「あーそうなのか?」
「そうです」
あ、だめだ。イライラする。
先輩は理解してない。俺が口を開く前に、先輩は息を吐き出して安心した顔で言った。
「そうか、怪我したってのは嘘か。良かったな。ここは怪我ひとつで命取りだからな」
あー良かった。良かったって、進む彼の姿に本当に・・・・・・飽きれる。
「・・・・・・その前のも嘘ですよ」
「え、今日は愛しい彼女と逢引って奴?」
「彼女じゃなくて、彼氏です」
「・・・・・・へーなるほど、そんなの隠さなくてもいいのにな」
と、目をなくして頬にえくぼを出して自然に笑う人。
分かれば分かるほど不思議な人で、
はっきり言えば俺は、 が苦手だ。
6・
長くいればいるほど、彼にどうこうすることが、できなくなる気がしたので、
すぐに決着をつけようとした。
だけど、立花先輩のせいらしく、彼は過度のアピールに気づかない。
最終段階の、布団の上に押し倒されても笑ってる。
しかも、これ以上進むと、善法寺先輩の「特性これ以上さかりつけなくなる薬」
とやらを使われるのも勘弁だ。
ごろんと先輩と同じように寝ころべば、天井が見えた。
「先輩は、ブサイクっすね」
「うん」
先輩はなんでもないように、言った。それが、気に食わない。
「笑われるとなお、ブサイクっすね」
「あ、それ言われたことある」
笑うなと、案に言った言葉も、先輩は気にしてないようで笑った。
笑い声に、カチンと来て、私は、それ以上の言葉をぶつけた。
「家族も、さぞブサイクなんでしょうね」
彼の笑い声が止まった。沈黙が続く。
私の心の中ではしまったという思いと、やったという二つの矛盾した思いが、巡っていた。
どんな顔をしているんだろうかと、先輩のほうへ顔を向ければ、
先輩は、
「残念だな。鉢屋」
かくも、この時、初めて名前が、呼ばれた。
「俺の家は、父も、母も、妹も、兄も、全員美形だ」
そういうと、私に背中を向けた。
「せ、先輩」
私は、なぜか、彼に謝らなければいけない気がして、なさけなくも、手を伸ばそうとしたけれど、
途中に見えたオレンジ色の髪紐を見て、手を伸ばすのをやめて、そのまま部屋へ戻った。
7・
私、鉢屋 三郎。5年ろ組、6年以上の天才と名をとどろかす。
私は、恋をした。
じわりじわりと、ゆっくり年月をかけて、咲いていく花のようなものだったので、
恋だと気づいた時には、花は見事に、手折れていた。
いいや、そんな綺麗なものではない。
奪われて初めて恋だと気づいたのだ。
めちゃくちゃになって帰ってきたころには、
彼女への思いはしぼんで枯れて、私にこびへつらう姿に、嫌悪すら抱いた。
怒りを抱いたのは、自分ではなく盗み人へだった。
「こんにちわ。ご機嫌いかがですか?立花先輩」
「鉢屋か、機嫌はいいぞ。おまえはどうだ」
余裕綽々で答える、学園一の色男。
落した数は、男女いれて数知らず、落されたならば、
あの立花仙蔵にお目がかなったとはくがつくほど。
口端をすいっと上げただけで絵になり男は、私の嫌味に気付きながら、
そういえば、と上を見て考えたふりして言った。
「そういえば、お前は人の観る目が学園一だと言われていたがな」
何を急にと思えば先輩は、綺麗な顔で、
私には厭らしい脂ぎった男の笑みのほうが、まだ、ましだと思える笑みで、言った。
「お前の好きな女は、大層、退屈な女だな」
その一言で自分の何かが壊れる音を聞いた。
ガシャンと粉々になる音を聞いたのだ。
そうして、少し泣きはらった彼女の姿が、私に救いを求める目が、
急につまらないものにしか見えなくて、
彼女に呼ばれた名前が自分であることが、わずらわしくて、
昔のような愛しさをまったく感じなくなってしまった。
「雷蔵、雷蔵」
泣き晴らして、ワンワン泣いたところで変わらないのだけれど、
私の男前で優しい友人は、何も言わずに私の肩をポンポンと優しく叩いてくれた。
ゆっくりゆっくり咲いていく花だった。
そのままでいれば私は、そのままの彼女を愛せたのに。戻してくれ、時間を。
これは正当。
私から幸せな時間を奪った男の、同じよう悲しむ顔が見てみたかった。
だから、私は、私は。
あの立花仙蔵が本気で愛した男・ を、ずたずたにさせたかった。
先輩は、あの日から、前よりも少しだけ笑顔が歪だ。
私はしたかったことをちゃんとできた。できたから、これでいいんだ。
あの人を私に惚れさせて捨ててボロボロにするのは、出来なかったけど、
結果、傷ついてくれれば、それでいい。
それで、いいはずなんだ。
ぎりっと奥歯をかみしめた。
8・
実習中にくらくらすると言って倒れた。
寝不足に、栄養失調。どうしたんだって前のめりになって聞けば、
犯人は簡単に分かった。
「どちらかというと、立花のときのほうが酷かったからこんなのなんでもない」
「なんでもなくないってば、今度は鉢屋でしょう?あの腐れ変装野郎。
君って本当変な奴らに好かれるね」
僕が言った言葉に、はきょとんとした顔をした。
「鉢屋は、別に俺を好いていないよ」
「は?」
「ん〜なんというか。俺の後ろに誰か見てるって感じか」
「それは、好意?」
「ははは、それと逆」
逆で、なんとなく意味がわかった。
「・・・・・・巻き込まれたか。とりあえず」
「!!たおれたって本当」
駆け込んできた仙蔵を殴った。一発で眠るくらいのを簡単に受けるほど、
しか見えなかったのは、いいとして、コイツはっきり言って迷惑すぎる。
「・・・・・・・伊作なんで殴ってんの?」
「うん。こいつが悪い」
全部全部悪い。大体が倒れるのって全部コイツがらみだ。
やっぱり、僕はいまだに、仙蔵とをくっつけるのは、反対だ。
9・
「先輩」
真夜中に、小さな声が聞こえた。
起き上れば不破に良く似ているけど、全然似ていない鉢屋が立っていた。
実習用の忍び服だから、とうとう、俺、殺される。のかと身構えれば、
彼は、俺の横にペタンと座った。
伊作に、部屋に戻ったらコイツが何するか分からないからと、立花を無理やり部屋に戻し、
そのまま保健室に安静にしているように言われた。
その伊作はというと、厠に行ってから帰ってこない。
彼には不運という属性があるため、心配だが、彼は強く頑丈にできている。
それよりも動いた時に、凄い勢いで怒られるのと、また不運ですれ違いがでるために、
待つしかできないでいたら、伊作じゃなくて鉢屋が来た。
そうして、今、彼はというとなぜか俺の手を握ってる。
「先輩は、私のしたかったこと知ってたんですね」
どうやら、彼は昼間の話を聞いていたようだ。
「まぁな。俺は結構これでも、人を視るのは苦手じゃないからな」
これでどうにか生きて来てんだぜ。6年間と言えば、
「私が雷蔵だって気づかないし、人のウソにはすぐ騙されるのに?」
「人は嘘をつく、しょうがないさ」
「分かってるのに、引っかかるのは馬鹿でしょうに」
「うーん、いうならばさ、俺は賢いよりも馬鹿を選んだんだ」
鉢屋は黙った。
私は、先輩が倒れたと聞いて、頭が停止した。
音も光も全てが止まった。
どうしよう。どうしよう。とばかりの言葉が浮かんで、
そこに、少しの衝撃。見れば、雷蔵で。
「はやく、いきなよ」
迷い癖がある癖に、男前の友人は私の肩を押したから、私は、
私は、先輩のことを侮っていた自分に気づいた。
ここは忍術学園。
上にあげればあがるほど難しいのに、お気楽な馬鹿な人が、
ここまで生き残れたのは、なにか一つでも才があるからに決まっている。
彼は、私が近づいてきた理由をちゃんと知っていた。
夜中忍びこめば、先輩は私の姿をみて警戒する。
最終確認。この人は、私に傷つけられることを知っていたのだ。
それなのに。
私ならそんな奴、さっさと追い出す。
冷たい言葉かけて、威嚇して。
”俺は賢いよりも馬鹿を選んだんだ”
この人は、本当の馬鹿だ。馬鹿を選ばなければ、もっと上にいけた。
人の嘘を簡単に見破れるし、人物を視る力も私よりも長けている。
人心掌握術なんてお手のものだろう。
ただ、この人は優しすぎた。
俺が無言でいれば、先輩は呟いた。
「久しぶりに、家族のこと言われて、大人げないかな。故郷が恋しいって奴」
嘘だ。分かる。
「俺はな、鉢屋。確かにブサイクだけど、彼らは綺麗だったけれど、
お前が思ってるようなことなんてないぜ」
だったら、なんで倒れたんですか。
「差別とかはさ、ちょっとはあったけど、寂しいってのもあったかもしれねぇけど」
そんなもんじゃないでしょう。
人は、異物を攻撃する。裏でも表でもなんらかあったはずだ。
あなたが言ったように他が美人であなただけがブサイクなら、当然。
「それでも、分かってくれる奴は分かってくれるさ」
周りから、嫌われるってことを私は知っていた。
私の一族は、いつも仮面をかぶって本当の顔を見せないから、
周りから不気味だと嫌われていたから、学園に来て、
変装であっても受け入れてくれる友人ができて、とても幸せで
そんな私は、先輩の気持ちが痛いほど分かるのに、
幸せであればあるほど、前のことを言われることがつらいことを知っているのに。
先輩が軽く言うブサイクに重い意味が込められていたのに。
先輩は、私がブサイクと言った笑顔で、笑った。
その笑顔は、到底ブサイクとは、言えなかった。
そうして、私の優しくて男前の友人のように私の背中をポンポンと優しく叩いてくれた。
言葉にならない声で、私はただ、ごめんなさいを繰り返した。
なかなか泣きやまない私に、先輩の指が、ついっと頬をかすめる。
ぺたぺたと雷蔵の顔の表面をまさぐられて、何をと涙が引っ込めば。
「まー、俺は、ちゃんと美人な奴は、苦労が多いってのも分かってるぜ。
お前も、綺麗な顔してんのに、もったいねぇーな。
不破の顔じゃなくて自分の顔にすればいいのにな」
その時の先輩は、にっ、と不敵に笑った。
初めてみた先輩の顔は、いつもの笑顔がブサ可愛いなら、まさしく恰好いい笑み。
あれ、もしかして、この人は、年をとるほど恰好良くなるタイプではないか。
と本当の顔が赤くなるのを感じながら思った。
「先輩、適当なこと言ってません?」
「あははは、なめるなよ?俺はこれでも、骨から顔が作れるんだぜ?」
「え?」
「本当だよ。は、これでも、変装の顔を作るのはピカ一だし、
時々、死体の欠陥を直したりしてるんだ」
「あ、お帰り、伊作・・・・・・と立花?」
ずるりと、服が半分脱げかけて、怪我をしている二人。
きっと取っ組み合いでもしたんだろう。
立花先輩は、ブルブルと震えて、大声を出した。
「そ、そんな素晴らしい特技をなぜ、私に言わない!!」
「あれ?なんだ、仙蔵ってば知らなかったの?へーふーん」
「・・・・・・・なんだ、伊作言ってみろ」
「いや、あれほど言っている割には何も見えてないねと思ってさ」
それから、二人に火花が散った。第二ランド開始らしい。
二人が戦っているときに、先輩の特技で、私はあることに気づいた。
「じゃぁ、初めて出会ったとき、私のこと雷蔵じゃないって気づいてたでしょう?」
「だから、言ったじゃん。鉢屋。人は嘘をつく。しょうがないってさ」
と、やっぱり先輩は笑う。
してやられた。本当にこの人は、分かれば分かるほど、
苦手な人だ。
だけど、目が離せない。
ああ、これは、そうだ。懐かしい感情。
ゆっくり、ゆっくりではないけれど、あの時と良く似ている。
「あ、そこ、なにいい雰囲気になっている。許さんからな、私は許さんからな」
「何を許さないんだ?立花」
「あ、そ、その」
指摘されれば、視界に入っただけで幸せそうな立花先輩。
とろけるほどの乙女っぷりにカチンときて、先輩の腕に自分の腕をからませた。
「私と先輩はものすごい仲良しですよね?」
「仲良くしたいなら、仲良くなれるんじゃね」
「そうですか。じゃぁ、私、頑張りますね」
先輩は意味が良く分かっていないが、
意味が分かった立花先輩は私に、バシバシ殺気を送ってくる。
なるほど、立花先輩のときも思ってたが、
先輩は、人が視れて、自分への好意には鈍感だ。
「あーあ、。キミってやっぱり面倒臭いのに好かれるね」
と苦笑している善法寺先輩の話を聞いても、頭に?を飛ばしている。
花が咲いた。
今度は、大輪を咲かすまで、散らすつもりも花を手折らせる気もない。
だってこの花はなかなかしぶとく、茎が太い。
それと、先輩を傷つけるよりも、
こっちのほうが、立花先輩の悔しそうな顔が見れる。なんともお得な内容だ。