「ハハハハハ。そりゃ見たかった」
「笑い事じゃないぞ。三郎。あの後火薬委員の下級生と斉藤は死んだーって泣き出すし、
はで、えっ、殺した?ってやり取りを永遠と続けてるし」
お疲れさんと、私はハチにお饅頭を渡す。そうとう疲れた様子のハチは、
畳の上に大の字になってあーとかうーとかうなっている。
そんなに関わりたくないのなら、放っておけばいいのにとの言葉は
生物を最後まで飼えと謳い、友達と幼馴染を大切にしているこいつには届かない。
「それにしても、兵助も凄い女好きになったなー」
変な女と言いそうになったが、ハチの前で言えば不機嫌になる。
もちろん、兵助の前で言うものなら・・・・・・あの恐怖の愛愛甘トークを私は忘れない!!
バーンと襖が開けられた。後ろでは雷蔵が落ち着いて兵助と止めているが。
「聞いてくれ、ハチ、三郎。今日、さんが俺に触ってくれた!!!」
「その場にハチはいたよ。兵助」
「無理無理、こいつ目がしか見てなかった」
「しかも、これ俺の血拭ってくれた」
これ。と血だらけになっている紙を大切そうに持っているが
私は、そこになにか字が書かれていることに気が付いた。
「ハチ。私にはあれが手ぬぐいじゃなくてなにかの手紙に見えるんだけど」
「ああああああああああああああああー!!!!」
急に、叫んだと思うと。
「、あのヤロウ。なんか大人しいと思えば、手紙返しやがった」
ハチ曰く、兵助の九度目の告白の手紙は、今回も本人が眠っていたと言うことで
届いてなかったらしい。今回こそはとハチがつれてきたのだが、兵助の暴走により、おじゃん。
そこに、手紙をそっと返すと言う暴挙。
ここまで、聞くと本当にろくでもない女だが。
「あ、そこの取って」
と学園室にてなんかの書類を次々書いている少女。私たちの噂の的。
。
あいつが次来るの一週間後だからなかなか怒れねぇーと叫ぶ幼馴染に、
一ヶ月ぶりにあえた幸せという恋の虜に、
その日は見つけたらいいことがあると言うぐらいの確率でしか会えない他の人。
一週間に2.3回顔をあわせている私。
まあ、雑用とその主だけど。と、指された書類を渡す。
まさか学園の経費、運営その他もろもろの雑用が一人の少女に任されているとは。
誰も知らないわけで、ハチも生徒以上ってことは知っててもまさかここまでとは思っていないだろう。
別に、彼女がしなくても事務員に教員・委員会があるのだけど、それのチェックとか、
学園長の思いつきとか、その他もろもろは手が届かない。
本来ならば学園長の仕事だ。しかし学園長は高齢。
なので、最初は手伝い程度で委員長である私もはしていたのだが、如何せん量が多い。
ほとんどは、自分の首を絞めている学園長の面白い物好きのせい。
仕事量は面白いと思ったぶんだけ増えていくし、
お金はそのぶんだけ出て行く。それをどうするか?
『頭』だ。
頭でどうにかするしかない。そしてその人物は運よく学園内にいた。
今年はまた学園長の面白いものの量は増えている。
きっと彼女がい続ける限り増え続ける。
経営運営雑用のプロがいたとしても、彼女には負けるだろう。
二日間寝まくったとしても許されると思うほどの膨大の量を彼女はこなしている。
私でさえも4徹でようやく追いつけるかの量なのだ。
わき目も振らずに墨を紙に書いていく同年代の少女に敬語で問う。
「さんは、なんのために学園に来たのですか?」
あなたならば、どこでも引く手あまたでしょう?
「世界では生きていけないらしいよ?」
それはそれは、なんて見る目の無い。
「それになんだかんだいってもハチが面白いっていうから」
さんの世界には幼馴染と自分しかいないんじゃないだろうか?
さんは変な女だ。そして凄い人だ。
だから。
「私もあなたの世界に入れてください」
兵助のことを馬鹿だと阿呆だと言えない。私も大分この人に参っているのだ。
「君なら、使えるから採用!」って言う言葉が死ぬほど嬉しいんだから。
2009・11・2