「うーん、よく寝た」
起き上がれば、凄い音を立てた私の骨。
細かいことは拘らないから今が何日とかどうでもいい。
空が青ければいいと思う。
でも、朝でも夜でも真っ黒であるなら、それでもいい。
朝も夜ということで寝れるかもしれない。
「久しぶりだね、幼馴染のハチ」
「・・・・・・・毎度毎度思うんだけど、なんで挨拶が説明じみてんの?」
「忘れそうになるから。私が」
「おい、それくらい忘れんな」
「この世に覚えておけることは何もないのです。そうそれはとても悲しいこと。
ちっぽけな私は世界を憂うことしか出来ません。ぐー」
「寝るな。。お前、俺に用があってきたんだろう?」
コツンと私の頭を叩く呆れ顔の幼馴染に今回の用件をようやく思い出す。
「ああ、そうそう」
ゴソゴソと胸元から一枚の紙をハチに渡す。
「何々。言いたいことがあるので、火薬室に来てください?」
「うん、それ。今日発見」
「・・・・・・今日?」
「今日」
「で、これはいつのだったんだ?」
そうなのだ。
私ことはとてもぐうたらしているので、2日ぐらいなにもせず寝ることが多い。
そのために、紙にかかれた用件は私本人に届くまで時間かかる。
くのたまならば私のことをよく分かっているので直に言いに来るが、
相手が忍たまになると、面倒くさいことに、
幼馴染の竹谷 八左ヱ門を使わなくてはいけない。
前、一度放っておいたら、なぜかこんこんと一日かけてハチに説教された。
相手の気持ち思いやりから生き物はちゃんと愛せと。
放っておくともっと面倒臭いことになることを学んだ私はそれ以来、
ハチにちゃんと相談するいい子になった。
ハチは、紙をちゃんと隅々まで確認して相手の名前を見つけ、顔を顰めて
「、お前この相手九度目だぞ」
そうか。ならばそいつが悪いな。私の性質を理解していないで手紙をよこすとは!!
「おい、何考えてるか凄く分かったが、お前はまず相手に誠意をこめて謝って来い」
「えー無理。無理。九度目って言われても顔覚えてないし」
「おま」
「私、ハチ以外の男の顔覚えてないよ」
「・・・・・・それ、絶対そいつの前で言うなよ!!」
2009・11・2