ある日、天女さまが降って来た。
天の国から落とされてしまった優しく美しいく可愛い人。
横を通ると甘い芳しい匂いがする。
思春期な俺達にとって喜ばしい存在が、今忍術学園にいる。
だが、俺はこのところ苛立つことが多い。
それは、天女さまが来る前のこと、男か女か分からない人が来た。
名前は知らない。
忍術学園で彼女の名前を知っている人はいないだろう。
あだ名は貧乳。その名のとおりその人はぺったんこだ。
思春期な俺らにとってあーあな人である。
ちなみに、天女さまはぼっきゅぼんだ。喜ばしい。
貧乳先輩は、最初からおかしい存在だった。
学園きっての体力バカもとい暴君と名高い七松小平太先輩を
圧倒的な力で倒した。
俺は生まれてこのかたあんな切れのある踵落としはみたことがない。
そしてあんな凶悪な顔をする女をみたことがない。
俺にとって貧乳先輩の入学は、女性観が変わるショッキングな事件だったわけだ。
天女さまだけを思っていれば幸せな気持ちになれる。
と三郎は言ったが、貧乳先輩はどこにいたって目立つ。
ほら、今も、
食堂でぎゃあぎゃあと物事を荒立てているのは貧乳先輩だ。
眉間の間に皺を増やしていることを三郎に指摘された。

「ハチ。食事のときそういう顔されるとご飯が美味くない。やめろ」

やめろって、だったら、あの人を黙らせてくれ。
と矢羽音で言ったら、無視された。
貧乳先輩と貧乳先輩がいつも連れている白い狐が争っている。

「もう我慢ならん。そこになおれ!!
私の揚げを盗もうなんて、万死に値する!!」

シュッと手刀の音がする。
手刀の空を切る音が一番遠くにいる俺の席まで聞こえるなんてどんなだ。と
思うが、あの貧乳先輩だ。ありなん。
かろうじて目で追える手刀のスピードを貧乳先輩のきつねうどんから揚げをとった
狐はすべて避け食堂を駆け巡っている。
貧乳先輩は、一回シュッと消えたと思うと、がっと狐の体を捕まえた。
狐の泣き声に、あの凶悪な顔をさせて貧乳先輩は笑った。

「さぁて、Lets show time?」

よく分からない言葉をいっている。
貧乳先輩は、違う所からの留学生だから、
そこでは何語かを教えているのかもしれない。
いや、そんなことは置いといて、
相手は、小さな動物だぞ!!と、とうとう俺は席を立ち、叫んだ。

「あんた、動物虐待って言葉知ってるか?
いいか、ペットは愛情深く最後までだ!!じゃないと、ペットを飼うな!!」

ああん?と、振り向かれた貧乳先輩の鬼ごときの形相にビビったが、
生物委員長代理としての立場が、俺に胸を張らせた。
俺の視線に気づくと貧乳先輩は怒気を消して、ボリボリと頭をかく。

「おいおい、ぼさぼさ頭。略してボサ男。コンはペットではない」
「じゃぁなんだ?」

なんだボサ男って、俺の髪はそんなに酷いのか?
三郎笑うな。雷蔵は笑いを堪えないでくれ。
勘ちゃんは、ナイスネーミングとか言わなくていいし、
兵助は、ご飯食べてないで、ちょっとはこのやりとりに興味をもつべきだ。

「・・・・・・・」

貧乳先輩は各々の反応をしめした5年の仲間たちに興味がないようで、
宙をみて考えこみ、ああ、と何かひらめいてたようだ。

「主従関係だ」

そういうと、狐は貧乳先輩の手から出て頭に噛み付いた。
気に食わなかったようだ。
言葉が分かるとは賢い。忍び狐か?と思うまもなく。

「バカ狐ぇえっぇ。頭に噛み付くな!」

貧乳先輩から、狐はするりと俺の腕の中に逃げてきた。
前々から毛並みがいいなと思っていたので、
触ると想像した以上に気持ちい手触りに俺は花を飛ばした。

「ほら、こういうのはちゃんと可愛がれば」

可愛がれば言うことをきく。お前の飼い方が悪いのだと言う前に、
兵助がようやくご飯から口を離して俺に喋りかける。

「はっちゃん、はっちゃんの唐揚げ食べられたぞ」

みると最後に取っておいた好物が食べられている。
今日、A定食が唐揚げがあるから俺はこれにした。
たとえ、Bにデザートがついても、俺は唐揚げがあるから。
つまり大好物だ。
その唐揚げ、唐揚げが!
数秒の沈黙と俺の体が震える。

「このクソキツネがぁ!!
主人が主人ならそのペットもペットだな!!俺が躾けてやる」

もう俺の腕の中にいない狐は一回立ち止まりこっちをみた。
なんだか笑われた気がする。

「お前みたいなウスノロに捕まるか、ばーかといったところか」

と、貧乳先輩が通訳してくださった言葉に、
プチーンと何かが切れる音がして、俺は、狐を追いかけた。
俺と狐の追いかけっこをみて、貧乳先輩はににやにやと人の悪い顔を浮かべていた。
それから、近くにいた潮江先輩の膳をみてせがむ。

「おい、潮江。その揚げよこせ」
「戦ってくれたらいいぞ」

貧乳先輩は酷く嫌な顔をした。

「私のならどうぞ」

潮江先輩の前に座っていた七松先輩が、すっと揚げを渡した。
問題は、七松先輩の膳はきつねうどんではないということだろう。
一体どこからと言うまでもなく、4年の滝夜叉丸がすごい顔をして
貧乳先輩を見ているが、貧乳先輩は、気にしていない。
揚げに嬉しそうな顔をして、七松先輩の髪を撫でた。

「おお、さすがだ。七松。お前はいい子だ」

それに七松先輩が至高の幸せ。
猫・・・トラが喉を鳴らすような顔をしている。
それをみて潮江先輩も自分の揚げをずいっと差し出す。

「俺もやる、だから、な、な、な」
「はーい、ここで異常な性癖を見せない。撫でてやるから」

七松先輩がナデナデだったら、潮江先輩のはベチと
額を叩かれたようにみえるのだけれど、
潮江先輩も七松先輩と同じ顔をしていたので、
何も見ていないふりをすることにした。
貧乳先輩は、自分の膳の皿に揚げを乗せて、口を開いた。

「さてと、あーん」

しかし、揚げは貧乳先輩の口の中に入ることはなかった。
さっと一瞬横を通った白い物体。
貧乳先輩のペットな狐はむしゃむしゃと二枚の揚げを食べて、
コーンと泣いた。
貧乳先輩の体から禍々しいものが出ている。

「コン。お前、一回本気で死んでおくべきだな」

ぎっと握力だけで箸を折った先輩は、ガタリと立つ前に、
厨房からの気配に、顔を向けた。
ちらりと白い割烹着が見える。
食堂の鬼神。食堂の守り神にして、忍術学園の最強なのかもしれない
「お残しは許しませんで」が合言葉な食堂のおばちゃんに、
貧乳先輩は舌打ちをした。

「チッ。おばちゃんの声が聞こえる」

狐は食堂の外へ行く姿が見える。
貧乳先輩の膳にはまだ一つ残っている小鉢があった。

「そこなまつ毛。やる」
「え」

貧乳先輩は、5年でさっきから黙々と食事をとっていた少年。
久々知兵助に小鉢を渡すと、そのまま狐を追いかけて外に出ていった。

「台風みたいな人だな」

三郎が言う。

「てか、ハチはどこいったの?」

雷蔵が言う。ようやく俺のことを気にかけてくれたようだ。
このままずっとこうなのかと思った。

「・・・・・・ここだ」
「なにしてるの?」
「後ろから押してくれないか?」

心底不思議そうな顔をした雷蔵。
そりゃそうだ。狐が逃げた場所を追いかけたら、
穴にはまって体が抜けない。
そもそもこの食堂にこんな穴はあったか?
俺が雷蔵に後ろを押してもらって、三郎に大笑いされているときに
兵助は、乙女が恋したように小鉢の物体を見ていた。

「豆腐もらちゃった」
「てかまつ毛って言われてたよね。ねぇ、兵助」

勘ちゃんの言葉は無視らしい。
すくっと白く四角い物体を箸で綺麗に四等分して兵助は一口食べた。

「美味い」







俺はあれから考えたのだけれど、豆腐を貰ったなら
それなりのお礼をすべきだと思う。
食満先輩に豆腐を頂いたときもちゃんとお返しをした。
お気に入りの二丁の豆腐を渡したら変な顔をされた。
今回は、あの時のようなミスはないようにと俺なりに考えてみて、
あるものを購入し、貧乳先輩も元へ行こうとしたけれど、
そういえば貧乳先輩の長屋の場所知らない。
誰かに聞こうとする前に、
忍たまの服じゃない服を着ている人が歩いていた。

「あ、えーと・・・・貧乳先輩?」

先輩は振り返り、眉間に皺を寄せた。

「・・・・・貧乳のところをそんな小さな声で言わなくていい」
「あの時はありがとうございます。美味しくいただきました」
「・・・・・・・待て、おいしくって」

貧乳先輩は、俺の言葉を繰り返し、
それからばっと、俺の口の近くに手のひらを広げた。

「調理方法は言わなくていいからな?」
「は?」

豆腐の調理方法?言えないわけはないけど、どういうことだろうと
頭を傾げると、貧乳先輩は堰を切ったように言葉を流した。

「私、実は拷問系統苦手なんだ。
そもそも、突っかかってきたウザイ奴を自分勝手な気持ちで投げ飛ばしたわけで、
その後お前がなにしても自由。報告なんていらない。
ってかなに?忍びってなんでそういうこと一々言ってくんの?
忍べよ。心のなかしのんでおけよ。忍びじゃん!!
てか、奴ら1年だろう。あいつら。先輩が投げてくれたおかげで、
僕らの発明(拷問)に引っかかってくれました。感謝します。ちなみに
今回のはこういうのであーゆうので、こんなかんじになりました(ハート)
私はたしかにからくり教えたけど、そんなにえげつないことしないから。
あいつら、どS度が格段に上がってきてるし。
1年でこれなら、6年のときどうなってるやら。
だから、報告とかいらないから!!本当にいらないから!!
むしろそれが目的で私になにか言うなら、相手になろう!!こい」

戦いのポーズをした貧乳先輩に、
つまり豆腐じゃなくて、暴力的な方面で人を美味しくいただいた。
ということかと納得し、俺は簡潔に説明した。

「いえ、豆腐です」
「豆腐?人じゃなくて?」
「人なんて美味しくないじゃないですか?
それとも貧乳先輩は食べたことあるんですか?」
「あー、こう自分の腕を噛み付いたことはあるけれど、
咀嚼したことは残念ながらない。そしてそれが永遠であれと祈ってる」
「俺も祈ってます」
「そうか」
「はい」

沈黙が続いた。貧乳先輩は手をあげる。

「じゃぁ、私は用事があるから」
「待ってください」
「なんだまつ毛。・・・おいよく見てもバサバサなまつ毛じゃないか」
「顔近いです」
「それはお前が離れろよ。私はここから一歩も動いてないぞ。
お前が近づいてきとるんじゃ。ボケまつ毛」
「ああ、なるほど」

どうやら俺が手を引っ張った拍子に近づきすぎてしまったようだ。
二歩離れると、貧乳先輩は腕組をして、怪訝な顔で俺を見ている。
だから俺も凝視した。

「・・・・・」
「・・・・・」
「で?」
「そう。俺に豆腐をくれたとても優しい貧乳先輩に、お礼です」
「いい心がけだな。覚えてないが、もらえるものはもらっとくぞ。
・・・いや、ものによる。なに?」
「いなり寿司です」

そういってさっと手に持っていたものをあげる。
貧乳先輩は口を一文字にして黙った。

「スキじゃないですか?」

これは失敗か。なかなか人にお返しすることは難しいなと
手を下ろそうとすれば、俺の手をガット貧乳先輩は両手で掴んだ。

「お、おおおおおおおお」
「お?」
「お前、最高だな。超素敵!!ボケまつ毛なんて失礼なことを言った。
今から、豆腐大王だ!!」

なにそれ。素敵な称号。
でも、その前に俺名前あるや。
そっちのほうがいいかなと口にする。

「久々知兵助です」
「久々知、素晴らしい。なんて気のきくやつだ。変な奴らしかいないと
思っていたが忍術学園も捨てたものじゃないな。で、どんだけくれるんだ?」
「全部上げます」

そういったら、先輩は俺の手をつかんだまま、膝から崩れ落ちた。

「おおおお、お前、どんだけ男前なんだ。
胸がきゅーんとしてドキュンときて、心停止するかと思ったぞ」
「それは困ります」
「ああ、私も困る。食べる前に死ぬなんて縁起でもない。
しかもその包装紙、田貫屋じゃないか?
予約3ヶ月待ち当たり前で、なかなか手に入らなかったやつだ。
おいおい、久々知よ。お前、天使か?」
「人です」

そんなレアなんて知らなかった。そういえば買ったとき店主に
あんた運がいい。丁度キャンセルが入った所なんだよと言われた気がする。
その包を持っていたら、通行人に羨望のまなざしを貰ったような気がする。

「だろうな。では、いただきます」

とパンと手をあわせて、俺の手のひらの上で包をあけた貧乳先輩は
上についていた割り箸をパキンと割って、そのままいなりを食べようとした。
目が凄いキラキラ輝いている。
セミの抜け殻を宝物といっていたときの輝きをしている。
まさに童心。
ここで食べないで部屋でゆっくり食べたらいいんじゃないですか?
なんて言うことも出来ずに、
俺も土産でこんなに喜ばれることもなかったので、嬉しくなってそのままでいた。
だが、先輩が口に入れる前に、先輩の名前を呼ぶ声が響く。

「貧乳!!貧乳!!おい、なんで来ない。
早く出てこないと、お前の枕元で子守唄を毎日聴かせるぞ。
上手いか下手かは愛情の深さで決まると思う。
・・・やっぱり出てこないでもやることにしよう」

凄い奇天烈なことを言っている立花先輩に、貧乳先輩はキラキラがドロドロ
になって、立花先輩がいる方向に舌打ちをした。

「あいつなんてこと言ってんだ。久々知。悪いがちょっと待っててくれるか」

しゅーんとしている。

「はい、いいですよ。苦労してますね」
「・・・分かるか。さすがだ久々知。はぁ」

先輩はすぐに帰るから、本当にすぐだから。ちょっと待ってて。
と念を押して俺の前から消えた。
このままポツーンと待っているのかと思ったが、
すぐその考えは打ち砕かれる。

「お、何してんだ?兵助」

いつも以上のボサボサ髪の竹谷八左衛門。愛称はっちゃんが、
茂みの中から出てきた。手には虫取り網。腰には籠。
それだけで状況は分かった。

「はっちゃん。また虫が脱走したのか?」
「そうなんだよ。って、美味そうだな。一個くれ」

ひょいとはっちゃんは俺の手の上のいなりを手づかみで食べた。

「あ」
「なんだよコレすげー美味いじゃないか」

一個が小さい一口大のいなりは次々はっちゃんの口の中に入る。

「はっちゃん。これは」
「やめられない、とまらない。うめー。兵助、豆腐の美味しいの買ってくるから」
「いや、嬉しいけど。そうじゃなくて」

遠くから声が聞こえる。徐々に近づいてくる人物に音。
綾部を腰につけてそのまま引きずっている貧乳先輩だ。
顔が少し赤く、綾部の顔を見ないように顔を背けている。

「どこいくんですか。貧乳先輩」
「抱きつくな。見るな。離れろ。綾部。私は今から幸せをだな」
「私と一緒にいれば幸せになれますよ。邪魔者も沈めてくれたじゃないですか」
「いや立花のはお前のためじゃない。
私の幸せを邪魔するものは何人たりとも許さない。
あと、まじで枕元でそんなことをしたら縁切るって立花に言っておいてくれ」
「早く切っちゃえばいいのに」

そんな会話をして、俺を見るなり顔を輝かせた貧乳先輩。
そしてそんな貧乳先輩の姿に俺に敵意を向けた綾部。
しかし貧乳先輩の輝かしい笑顔は変わった、
はっちゃんの姿をみて、
空っぽのいなり寿司の箱をみて無表情のまま止まった。

「・・・・・・それ貧乳先輩のなんだ」
「ちょ、まじか。それ言うの遅いぞ、兵助。・・・・あ、俺、死んだ」

はっちゃんは、貧乳先輩にボコボコにされた七松先輩の姿を連想して、
体を萎縮させたが、貧乳先輩はいつまでもこない。
それもそのはずだ。貧乳先輩はボロボロと大粒の涙を流していた。
先輩は綾部の腕を自分の体から離し、そのまま俺達に背を向けて走っていった。
その場はシーンとした静寂に包まれた。






「え、え、俺が悪いのか?え、あんだけで泣くとか?え?」

俺は驚く暇がなく、そのまま体をそらした。
俺がいた場所には鋤がある。
さっきから感じていた殺気に顔を向ける。

「あっぶねー綾部なにすんだ」
「死ね、竹谷」

あ、これは本気で怒っている。
綾部も本気で怒ることがあるのかと、
いつもの無表情をやめて笑っている綾部に思う。
ぞわりとしたものが体中をめぐる。
だけれど、俺は一年上だし、
なによりあんな奴に怒っている綾部にムカついて、
綾部が繰り出す鋤の攻撃を避け、攻撃を繰り出す。
しゅっと、頬を鋤が掠めた。頬から血が流れる。

「ってめー」

本気になろうとクナイの構えを変えようとしたが、
ポンと置かれた手にそろりと振り返る。
全然気配を感じなかった。
背後には、立花先輩が女顔負けの笑顔で妖艶に微笑んでいる。
綾部のが可愛いなら立花先輩のは美しいが似合う笑みだった。

「竹谷。貴様の死亡は、か・く・て・い」

ツンと頬をつつかれた。

「・・・・・た、立花先輩」
「竹谷せんぱーい、可愛い1年の可愛いいたずらかかってくれますよね?」

立花先輩の後ろから作法委員の1年からくりスキーズが出てきた。
怪しげなボタンを持っている。

「というわけだ。私は半殺し、あとは可愛い1年生が調理し」
「そして私が穴を掘る」
「「「「「ばっちこーい」」」」」

笑みのくせに、全然目が笑っていない作法委員に、俺はクナイを落とした。
背中から汗が半端なくでている。

「なんで、作法委員が集合してんの?
え、俺、マジ死ぬんだけど、兵助助けてくれよ!!」

横にいる友人に助けを求めたが、口元に手を当ててぶつぶつなにか言っている。
聞き取ろうとすると、ああ。と納得した顔で言った。

「胡麻豆腐」
「は?なにいってんだ。兵助」

兵助の肩を揺さぶるまもなく、俺の足がガシリと1年生に掴まれた。

「ちょ、助け、いやぁぁぁあああああ」



俺が断末魔をあげ連れ去れられた後に、兵助は誰に言うでなく呟いた。


「豆腐かと思ったら、胡麻豆腐。そしたら凄い美味しくてはまった。
なるほど、泣かないと思っていた先輩が泣く。
これギャップ萌えって奴か?」













2011・5・19