朝、ぱっちりと目を覚まして起きあがれば適当に置いてある果物をかじる。
基本朝の食堂には行かないそれは、元くのたまであったときの話だ。
私の場所を知っている幼馴染の朝の訪問以来、その習慣は変わった。
「起きてるか、」
「いやいや、開けてから言わないでよ。これで着替えてなかったらどうすんの」
「着替えているからいいだろう」
「さいで」
そういって他の人よりも早く起きている三木、身支度は完璧。さすが、自称アイドル。
が、私の髪をササっと結う。タカ丸さんのほうが上手いが、私の感情論で言えば、
三木のほうが好き。タカ丸さんは一般受けする手つきで、三木は私限定の手つきなんだろうと、
頷けば、動くな馬鹿と頭を叩かれた。
二人で食堂に入る。
前はこれをからかわれたが、数週間経てば、ろ組で私は、完璧同じ男扱いだ。
つまり、男同士、しかも幼馴染、じゃ特に問題ない。らしい。
いや、私女だよ。と言えば、クラスの奴らは、女は、よだれをたらしながら居眠りはなしないとか、
女はあんな華麗に一本背負いはしないとか、女は髪の毛をそんな雑に結わないとか、
女は服を逆に着てこないだとか、色々言われた。
私のあまりな生活態度で三木が世話している姿を、今では微笑ましげに見ている。
他の忍たまたちは、最初くのいちとだけで、小春さんの件もあり、超威嚇されたが、
小春さんの「ちゃん。ちゃんこれからはもっと一緒に入れられるなんて、嬉しいな」の懐きようで
威嚇は解かれた、というか、此の頃は良くやった。となんか貰う。
小春さんが私のことをどういってるのかなんとなく分かって少し嬉しい。
結論。私は前よりも快適に人間関係を築いている。
ああ、でも一つ弊害。三木が席についたので私はその前を取ろうとして、横からの力に押し出された。
「・・・・・・喜八郎、僕に林檎が当たったぞ」
「ごめん」
「はん、せいぜいお前にはその姿がお似合いだ。見よ。私のこの美しさ、
肌よし、髪よし、今日も綺麗だ滝夜叉丸!!」
「うるさい。僕の髪のほうがキューティクルで愛らしく」
また三木と平 滝夜叉丸の朝の二人の戦いは始まった。
仲が悪いならばどうして同じ席に座るのか理解は出来ない。
そして綾部君が私の横に座っているのも理解できない。
「ふわぁ〜おはよう、みんな。朝から元気だね。あ、これ、ちゃんのだよね。ハイ」
「おはよう「おはよございます。タカ丸さん」・・・ありがとうございます」
と綾部君がわざとかぶした言葉に怒る気力もなく。何度目だと考えるのも億劫で、
渡された林檎を取ろうとすればそのままそう、綾部君のお口にイン。
シャクシャクシャク。
・・・・・・食うのはえぇぇぇ。
「コラ、喜八郎。あれほど、人のものは食べるなと言っているだろう」
平君は私の朝のご飯がゴミとなってから注意した。
だが、彼はいい奴だ。わざわざ白熱していた喧嘩をやめてまでも、注意してくれた。
「僕のご飯分けてあげるよ」
「倒れてもしょうがないほら」
三木もタカ丸さんも優しい。
「みんなアリガトウ」
そして、
バク。横に座っている綾部君が食べた。
「喜八郎!!!!」
平君の声にあわせて私も叫びたい。死ね。綾部。
結局何も食べれないまま、昼近くまで来たときに私の腹がなった。
近くにいる子が言う。
「おい、、次実習で昼飯食べるの遅くなるぞ」
死刑執行の言葉だ。
「また、い組の綾部に食べられたのか?」
「なんかしたのかよ」
「初対面で嫌いって言われた。そんぐらい」
「嫌われてるな」「嫌われてるね」
追い討ちをかける彼らは楽しげに、ほらっと私にお菓子やら果物を渡した。
「お前ら」
「俺たちの組で、憎くきい組と対抗できるのはお前だけだからな」
と少し照れながらも彼らは笑う。後ろで三木が吼えた。
「なにおぅ!!僕もいるではないか」
四年ろ組は、私には過ぎた最高にいい奴ばかりなんです マル