パチリと目を覚ませば、イケメン。

お帰り」

「・・・・・・あ、はい。利吉さんいたんですか?」

急いで、涎を零してないか確認してしましまうほど、
利吉さんの笑顔は眩しい。

「覚えてないのかい?」

「拷問室までは覚えてたんですけど」

「まったく、君が戻ってきて良かったよ」

抱きしめられた。恥ずかしい。顔赤いの絶対ばれる。
うわー。うわー納まれ
この人のは妹としての抱擁であってそういう意味がまったくない。
だから、落ち着け。
私は、どうにか抱きしめられている事実を逸らすために話題をふった。

「あ、あのここは?」

「保健室だよ」

あ、皆さんお揃いで。
あの時にいたみんなが全員そろっている。
全員、ほっとした安心した顔をしている。迷惑かけて悪かったなと思うのと。
すまなそうに頭を下げているのはなぜ、善法寺先輩と平くんなのか。
そして、なぜ不貞腐れているのが綾部くんなのか。
君は私を絞め殺すところだったと言うのに!!

「私は悪くない」

そういってポスリと私の布団の上にねっころがる。
猫だ。にゃんこだ。くそー可愛い。もういいか、これが綾部くんだ。
何をされても私は彼をこれを許してしまう。
ん?なんかそんな感情どっかの誰かがしていた気が・・・・・・。

「綾部くん?はまだ体完全ではないのだから」

と綾部くんは利吉さんにどかされた。猫はますます不機嫌だ。
でも、一瞬利吉さんの顔が怖かった気がする。
なので、どっちも見なかったことにしておいて、
私は、頭の中に引っかかった疑問を口にする。

「自分が好きな人をとった人を恨んでいて、最後に自分がもう命が長くないから、
恨んでいる人と一緒に心中しますか?」

唐突に言った言葉に、みな?を頭に浮かべているが、
頭の回転が速いのか立花先輩はフムと考え口に出す。

「普通、逆だな。命短いからこそ、好きだった相手と心中するだろう」

「そうですよね。
あの愛しているは相手が違うってことか、まぁ、気づいてなかったのが罪ってことでしょうかね」

みんなの?が増えていて解説を求められている。
しかし、当の本人でない私が言っても意味のないことだ。

前世の私は、最後の最後で、憎まれていたと思っていたのでしょうが
最後まで彼らに愛されていたのだ。
進一以外許さない。それはそうだ。
我慢強いといった千春はそこがギリギリの我慢だったのだろう。
進一のことを好きなのかとか聞かなくて正解だ。
聞いたらもっと早く終わってた。
千春は、最初から、もしかすると進一が彼女を愛する前から、彼女が好きだったのだろう。
神様からの唯一の最後のわがままを使ってしまうくらいには。


バタタタタと足音が聞こえる。忍術学園では一年ぐらいの足音だが、聞き覚えがある音。



ちゃん!!あのね、私小春です。千春じゃないです。
そして、あ、あの、私悪かったことあったら、教えて!!」

スパーンと襖を開けて、涙零しそうな顔で、支離滅裂な言葉で入ってきた小春さん。
確かに、千春ちゃんと雰囲気は似てなくはないが、おいおい。

「小春さんは、レズじゃないですよね」

「レズじゃないよ!!」

まーたく違うじゃないか。本当に、やれやれだ。

「小春さんは小春さんです。そして、嫌いじゃないです。寧ろ好きです」
どちらかというと私を嫌いにならないでくれますか?


そういえば、小春さんは私に抱きついた。
ああ、温かい。

うん、そういえば。私すっごく寝てないよね。それとすっごくお腹すいてるよね。
ぐぅぅーーーーー。

「お腹すいた」

「ここにあるよ。はい、アーン」

いつの間に用意されていたのか雑炊をフーフーと利吉さんに口元に運ばれる。

「利吉さん、出来ますから食べれますから」

「そうだよ。利吉さん。私が食べさせますから」

ばっと、れんげを奪って、小春ちゃんが笑顔で。

「はい、あーん」

小春ちゃんと千春ちゃんは違う。違う。レズじゃない。違う。
しかし、前の記憶で、凄い嬉しそうな顔をして食べさせている千春ちゃんの顔と
小春ちゃんの顔が重なった。












2009・11・1