えーそうなの?うん、それでね。
和気藹々。
私は今、幸せを噛み締めている。
彼女と喋るのは楽しい。というか、この学園で私に敵意なく、利益なくして近寄ってお話してくれる
女性はおばちゃんと先生以外で、一人しかいない。小春さんだ。
小春さんというのは、ある日突然天から降ってきた未来人なんだ。わぁ、なんて電波。
と思った私はおかしくない。出来るだけ近づかないでおこうと思った私はバカだが。
あっさりと、学園に住み着いて事務業をこなす彼女に、これまたあっさりと陥落した男ども。
それを妬むのは女どもって訳で、嫉妬からなる一連のくのたまの動きは凄かった。
いやはや、今自身で体感しているいじめよりも数百倍きつかったはずだ。
だって、私はこれでも優秀で同じくのたまだし、全員が敵って訳でもなし、しかもよく仕事でいないし。
そんでもって、彼女らは、小春さんが敵である仮定の報告書を書いて学園長に提出。
その審議を見極めるためになぜか私を選択。
普通そこは教師の役目だろう。と思ったが銭のためならと手を打った。
そして、見てビックリ。まぁ、これは落ちるわ。彼女は天女って思わせるほどビューティーなんですよ。
肌は白くて、黒目がちな大きな目、ぷっくりさくらんぼを思い出す唇に、嫌味のない高さの鼻、
髪だってサラサラ。サラストランクに女がのるかもしれないと思うほどだ。
ちなみに、一位は綾部君の上司みたいよ。
髪結いカリスマの贔屓にしているタカ丸さんに聞いたのだから、確かだ。
儚げで守りたくなる雰囲気そして、白魚のような傷一つない手。
初めて話しかけたときに思った。おい、男ども、守ってやれよ、ってか私が守ります。と
笑った顔がマジ可愛かった。ズキューンだった。彼女曰く、女の子に無視されてて辛かった時期らしく
私が話しかけてくれたのが嬉しかったらしい。
それから、彼女は私のよき友人だ。報告書のことは、全部嘘だって証明したし、
陰謀を企てた主犯は・・・・・・もう二度と出来ないと思う。
悪が倒され姫を助けて正義が勝つ。なんて単純公式で幕は閉じた。
「ねぇ、小春さん、未来ってどんなところ?」
「そうだね、まずね。車・・・鉄の塊が高速移動しているよ。乱太郎くんくらい早くて、
ぶつかると、痛いよ。それで、針金が火花散らして、光を絶えず留めておく鉄の巨大槍が、
地面に刺さってるよ。それから、小さなこれくらいの箱で、遠くても会話できたり、
目の前で渡すくらいの速さで手紙を受け取ったり、」
私は小春さんの未来の話を今の私にも分かるように話してくれることが楽しい。
彼女は、本当に未来人だ。なぜ、それが分かるかって?
さぁ、なんでだろうね。
そんなことは、置いておいて、彼女の苛めは私という邪魔者が出てしまったゆえに終わった。
ならば今現在どのようにして彼女達のはけ口はどうなっているのか?お分かりいただけると思うが、
パァン今、私に友人と前言っていた子が私に毒の入ったものを投げつけた。
避ければよかったのだが、避けたら小春さんに当たってしまう訳で、小春さんがこっちを見て泣きそうだ。
「大丈夫。大丈夫?誰か救急車」
保健委員が来るのは勘弁だ。あの人たち、私よりも怪我を大きくする可能性がある。
私は、鼻をくんと動かすと、軽度なものと判断し、笑顔で返す。
「大丈夫。片栗粉弾だよ」
「へー、そうなの知らなかった」
「・・・・・・綾部君」
「小春さん、危ないから、保健室行こう」
おいおい、私は無視か、このやろう。
「じゃぁ、ちゃんも一緒で」
「・・・・・・」
嫌そうな顔された、無表情だけど嫌って顔に書いてある。どんだけだ。
小春さんは私の大事な友達です マル