嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ああ嗚呼嗚呼嗚呼ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ああああああああああああああああああああああああ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
止めて止めて、壊れてしまう。
「大丈夫だよ。僕がいれば。大丈夫」
泣き始めた私を抱きしめる人、優しい笑顔、人付き合いが苦手でよく胃薬を服用していて、
本大好き、外よりも中にいて、私が話しかけても本に夢中になってる人、
いつか必ず物書きになってやるって小さい頃からの夢は叶った努力家。私のほうが上手かったのに、
いつの間にか負けちゃってた。チョコレート苦手くせに、私があげたら美味しいって食べる。バカ。
ちょっとでも血が出ると、すぐ倒れる。男の癖にって思ってたのに、私が怪我すると、
倒れるくせに、手当てするの、私より顔真っ青よ。
小さい頃から、一緒だった。輝く太陽向日葵、ビニールのプールスイカ。
写真にはみんな一緒。離れるなんてありえないくらい、傍にいるのが当たりまえなくらい。
あああ。止めて、違うの。私は。
「お願い、生きて」
泣かないで、愛しい人。泣かないで。ッ私そのためなら。
止めて、殺さないで。殺さないで。
大切な友達なの。
目が覚めて、いる場所はどこかな。ああ、あなたは学園長。
大丈夫まだ、変わってない。
「お願いします。私をあの場所へ、拷問所に置いてください。鎖も繋いでください。
そして、私に何を言われても何しても出さないで下さい。」
ざわりと騒ぐ。
学園長先生、ごめんなさい。貴方の質問が聞こえない。
殺せ殺せとの声と誰かが悲しそうに生きてと言う声だけ。
「私はこのままいれば小春さんを殺します」
どうしてこうなった?
最初から、そうなるものだったんだよ。
なんもない、なにごともない平穏な忍術学園。
今日なんか面白いことないかなと、思っていたのが、悪かったのか。
ニコニコと笑っている小春さん。俺は、別に小春さんに対しての感情は悪くも良くもない、
綺麗だし可愛いし優しいしと、言われているが、時々人間臭くなさすぎる彼女に、
自分とは別物だと感じてしまう。それより俺は、小春さんの横にいることが多い
のほうが良かった。喋る機会はなかなかないものの、彼女のずぼらというか、
人間臭すぎるというか、女らしくないその姿がたまらなくツボだった。
服を反対に着て来た日、彼女の幼馴染が言うまで気付かないのも凄いが、
時々、足袋を履き忘れたり逆にしたり、抜けていると言うか彼女は
きっと俺を笑わせようとしているに違いない。
喋りたいが話しかけたいが、なんせ彼女は4年なのだ。あのどこか他の学年と距離を置いている
学年。しかも委員会にも所属していない。
見つけても、周りをがっちり4年で固められている。
こちらでも見ないかとじっと見ていれば、穴掘り小僧の綾部がなぜかかわりに見つめ返してくる。
そういうわけで、俺と の関係は0である。
この日までは。
俺は遠くから、二人を見ていた。傍観者にすぎない。
物語は、 に近づいた小春さんからはじまった。
ちゃんと親しみと友情で近づいてきた小春さんを は、クナイで切った。
切ったと言っても手のヒラを少しだが。それよりも強い殺気を感じる。
何が起こったと近づけば、「どうして、どうして、ちゃん」と泣く小春さんを守る他のくないを持った忍たま。
俺は、 に近づき手刀を首に落とした。
泣いて傷つけられたのは小春さんなのに、それ以上に痛そうな悲しい顔をして、
倒れる瞬間俺に聞こえたのは謝罪の言葉。
崩れ落ちる彼女の重さは俺が思っていたよりも、軽く細く、女であった。
学園長室に連れて行かれる彼女。俺は天井裏に身を隠して内容を聞いていた。
「なぜ、このようなことをしたのじゃ、」
教師の、学園長のすべてを見ていない彼女は、
きっと本当に何も見えても、聞こえてもいないのだろうと思った。
俺が、鉢屋 三郎でありながら、雷蔵の顔を被っているのと似たような雰囲気。
彼女は でありながら、そこに座っている彼女は ではなかった。
一瞬、目に光を戻した彼女は言った。
「お願いします。私をあの場所へ、拷問所に置いてください。鎖も繋いでください。
そして、私に何を言われても何しても出さないで下さい。」
「私はこのままいれば小春さんを殺します」
その言葉に、彼女がどこに連れていかれたかは分からないが見当は付く。
教師、みんながいなくなり、学園長だけが静かに一人でお茶を飲んでいて。
「いるんじゃろう、三郎」
「・・・・・・間違っていると、俺は思います。 は生徒で小春さんこそ
一番怪しむべき人物ではないのですか。なぜ、彼女を罰するのですか?」
「は、一度小春さんを大丈夫だと申したのだ。それなのに、急にあのようなことをするのは
おかしいと思わんか。それに本人が望んだのじゃ」
「・・・・・・」
「でも、はわしの可愛い生徒には間違えない。のう、三郎。あの部屋は冷たく寒くての、
ご飯だって届けんといかんし、の状態が分かる観察眼が長けたものがいいと思うのじゃが、
さてさて困ったな」
「・・・・・・私がします」
「そうかそれは良かった。ホホホホホホ」
狸じじいとの言葉は飲み込んでおいてよかった。
これで、彼女と俺の関係は0ではなくなったのだから。
2009・10・15