「さぁ、着いたよ」
と、僕の家へ連れてくれば、すぐさま蒼は走り出す。
は、忍び服じゃなくて大人しい緑の色の服を着て、
手を広げて突っ込んでくる蒼を抱きしめた。
「久しぶりだね。蒼」
「会いたかった、」
二人とも涙を流して笑っている。
後ろでは、ややつまらなそうにでも嬉しそうに留さんが見ていた。
あの後、僕は、実家にを引き取った。
全てを話して彼女は、ようやく僕の前で泣いてくれた。
「ねぇ、留さん。ところで、どのタイミングで、結婚してくれって言えばいいと思う?」
「はっ?お前まだ言ってねーのかよ」
「だって、だって、一回断れているんだよ?もう一回なんて耐えられない」
「おいおい、お前あんな格好良かったてのに、なんでそこでヘタれる」
「だってー。もうなんかいるだけで幸せっていうか、不運解消っていうか。
いてくれるだけでいいんだもん。あーでも、言うの恥ずかしいし、断れたらって思うし、
堂々めぐりなんだよ」
「のろけんな」
「のろけてない、悩んでいる」
「ほら、呼んでいるぞ」
と、僕はに呼ばれて彼女の元へ向かった。
蒼とともにと伊作を見る。
こっちまで、甘ったるいのが映りそうなくらいラブラブだ。あれで、付き合ってもいないなんて
いや、結婚してくれを言っていないだっけ?
いいや、あいつのことだ、きっと付き合っても言っていない。
「馬鹿だな。伊作。が、ここにいるってことで大体答えは出ているもんだけどな」
と呟けば、我いとしの恋人はむくれて、俺の腰に抱きつく。
「留。が、伊作にとられた」
「そうだな」
「留〜」
「なんだ?」
「今、すごい幸せ留いて、いて、伊作いて、私達ようやく蒼い空の下、笑いあえるね」
と、えへへと笑う可愛い生き物にきゅんとしながら、彼女は爆発宣言をした。
「だから、ここの近くに引っ越そう」
おいおい、最後まで、俺は伊作のお世話をすんのかよ。
「と一緒に幸せになるんだ。伊作が浮気したら、伊作に百万返しの方法考えるの」
と怖い計画はいつのまにか来ていた二人によって遮られる。
「僕は浮気しないから!!」
「蒼、それって、留三郎先輩のときもそうなるの?」
「・・・・・・留。浮気しないでしょ?」
浮気?出来るわけない。お前以上なんていないんだから。
といえば、ひゅーとひゅーとからかわれる。
「ってか、伊作もそうだろう?」
と返せば、顔を真っ赤にして、
指を人差し指でもじもじしながら、あのそのと、しどろもどろ。
まったくいいパス出したんだから、さっさと言えよ。
それに、の顔見てみろよ。
「まったく、嫌になる。さっさと言え。伊作め」
「まったくだな」
、顔を赤くして幸せそうな顔してんだろうに。
「ぼ、僕とけ、けけけけけ・・・・・・・いや、その前にこ、ここここここここ」
「なんてにわとり?」
「駄目だな。こりゃ」
と飽きれていれば、が伊作の手をとって、笑った。
とても綺麗に。
「ねぇ、伊作。私を伊作のお嫁さんにしてください。
伊作と一緒に幸せになりたい」
そうして、みんなで、蒼い空の下で、共に笑いあった。
めでたし、めでたし。
2010・1・17