天女さまは泣きながら空へとのぼっていきました。
天女さまは、元来た場所へ帰らなくてはいけないのです。
使者が来て天女さまを連れていきます。
みんなが必死にとめようとしましたが、
宙を切るばかりで彼女は消えてしまいました。
おしまい。おしまい。
五日。俺は探した。
探して探して最終的に戻ってきた場所は、俺とあいつがであった場所だった。
その場所は、相変わらず前と同じだったけれど、
一人でその場所には歪であった少女が今いないことが歪であった。
どこにいんだよ。と自分の汗を拭う。
委員会で虫が逃げ出したときよりも手が、かかり、
最後の小さな蜘蛛を探したときよりも見つからない。
くのたまのほうへ行けばどうにも俺はくのたまに嫌われているようで、
「あんたに言うことなんてないわ」との言葉しか帰ってこない。
聞いたところによると、俺だけでなく、他の忍たまも同じで、
の悪口が鍵のようだ。
元々、「天女」だったあの子は好かれておらず、それと、
彼女と蒼先輩をよく知る子がみんなに真実を言ったようで、
蒼先輩が怒ったのは、本人が怒っただけ。
気に障る発言でもあったんだろうということ。
は、なんも悪くなかったって、いまさらな真実。
言えなかったのは、「天女」な子に夢中な俺らが怖かっただけ。
言わなくても、なにも変わらないと本人が言ったため。
らしいっちゃ、らしいけど。
そうしたら俺は最低な男じゃね。ってことだ。
なんも悪くないを、怒って謝罪させて・・・・・・。
あーもう。
髪をぐしゃぐしゃにした。
俺はを探している。謝るために、
そして、あの日感じたこと全て言うために。
草むらにと同じように寝転がってみる。空は、蒼い空。
彼女には一番似合う空だと思う。
なぁ、。
俺さ、あの子のこと好きだと思ったけど、やっぱり違った。
一緒にいれば楽しいしもっと一緒にいたくなるけど、
彼女を山賊から助けて見れた笑顔とかきゅんとするけど、
蒼い空に映るのは、ご飯の取り合いしたことだとか、
くだらないことで喧嘩して、みんな巻き込んだこととか、
蒼先輩ばっかり優先すんなって嫉妬して、お前は俺の友達に妬いて、
好きだって思ったのは、横でスイカ食ってるどう考えても全然可愛くない姿なのに、
素のお前にいいなって思ったこととか、
初恋で、なにもかも初めてな気持ちで、どう接していいかわかんなくなって、
嫌わないでと泣いたお前だとか、
告白の予行練習何回も三郎でして厭きられたこととか、
お前に好きって言われて、何度も同じこと思い出してにやけて夜眠れなかったこととか、
恋人なって初めての過ごした二人のときだとか、
初めて口付けして照れて笑ったお前とか、
手を繋いで初めての逢引は、三郎とか他のみんなに付回されて
散々だったけど笑ってくれたお前とか、
時々何かを言おうとして止めるお前とか、
どこか一線を感じていたから、もっと一緒にいたくて、もっと知りたくて、
結婚しようって言ったら泣いたお前だとか、
全部愛おしいんだ。
本当俺、馬鹿だよな。
いまさら、気づくなんて。
別れようと言えば、何も言わずただ分かったとだけ言うとか、
諦めたように謝るとか、すっごく傷つけたの分かってる。
何回でも謝る。しつこいって言われてもやめない。
お前が分かってくれるまで何度だってやる。
諦めきれないんだ。おまえのこと。
なのに。
。会いたい。今どこにいる?
伝えたい思いは募るのに、会えないだとか、悲しくなったけど、
こうやって考えててもしょうがない。
動くしかないか、と起き上がろうとすれば。
「何を探してるの?竹谷」
誰かが、太陽を隠した。
2010・1・15